2024/03/11(月) 17:00 0 26
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは古性優作の無類の勝負強さが光った好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
3月10日に最終日を行った松山競輪「開設74周年記念 金亀杯争覇戦(GIII)」の12R決勝で、やはりこの男が魅せてくれた。ミスター好プレーだ。古性優作(33歳・大阪=100期)が10回目のGIII制覇を決めたレースは、見事を極めていた。
別線勝負を選択した南関ラインの北井佑季(34歳・神奈川=119期)が深谷知広(34歳・静岡=96期)を突っ張った後。6番手に位置していた古性は打鐘が過ぎたあたりから踏み込んでいく。湧き起こる歓声と、盛り上がるボルテージとは対照的に、静かに、冷静に…。
北井を叩くようなスピードで追い上げて、北井が踏み上げたところで和田真久留(33歳・神奈川=99期)をロックオン。好プレーはこの一撃。グリっと和田真久留を押し込み、踏み遅れさせて、番手を奪い取った。
北井の状態、自分自身の状態を冷静に判断し、勝てる戦いを貫徹した。無類の勝負強さが光ったものだが、その技術の卓越さは空前絶後といっていい。
2日目の12Rで芦澤大輔(41歳・茨城=90期)のブロックをかわす動きがあったのだが、芦澤は「完全にきれいに対応された。自分の動きとシンクロしていたんです」と衝撃を受けていた。ぜひ、このレースの3角の部分を見てほしい。2人の動きは…一緒。
古性にこの箇所のことを聞いてみたら「自転車の寝てる角度とかで、どれくらいの幅、距離を来るか分かります」と平然と話していた。もちろん「芦澤さんのあの動きがあったことでラインを連れ込めなかった」と、芦澤の動きも称えていたのだが、あまりにもレベルの高い話だった。
この男、カッコよすぎ。
★を付けるのは失礼…。形上、最大値の5個だが、もはやそんな話を超えている。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)