アプリ限定 2024/03/10(日) 16:30 1 36
3月21〜24日に取手競輪場で開催される「第8回ウィナーズカップ(GII)」。1月末に出場選手が発表された。
ウィナーズカップはその名の通り「勝者の集い」。選考条件は1着回数が重視されており、車券貢献度の高い選手が選出される。
ただし、選考の特性上、前S班の選手が選考漏れしてしまう前例が多々ある。今年も先日のGI「全日本選抜競輪」で優勝し、即S班返り咲きを決めた郡司浩平をはじめ、平原康多、守澤太志も出場権を逃している(新田祐大は選出されていたが、その他欠場に)。
【ウィナーズカップ選考条件】※開催時S級在籍
(1) S級S班在籍者
(2) (1)を除く、1位回数上位30名(同数の場合は2位回数、3位回数、平均競走得点上位者)
(3) ヤンググランプリ出走者
(4) 選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S1)
(5) FI決勝1〜3位回数上位者(同数の場合は平均競走得点上位者)
※選考期間は2023年7月〜12月の6か月
メインの選考条件となるのは(2)と(5)で、これが前S班に不利に働いていそうだ。S班はGIII以上にしか出場しないため、ほかの選手に比べて「1着」の難易度が高い。(5)に関してはFIに出走しないので対象外だ。つまり「1着回数30位以内」に入ることができなければ、出場のチャンスは実質的に潰えることになる。
そのため選考期間内での競走得点は高くても、選考漏れとなってしまうケースが多い。実際、郡司は選考期間内に14勝を挙げているため、これがいかに狭き門か分かるだろう。
またS級1班でも、Gレースを主戦場としている選手には苦しい条件となる。エース級の選手が参加できないことは、同地区の選手たちにとっても痛手となりそうだ。
各地区の主な選考漏れ
地区 | 選手名 |
---|---|
北日本 | 守澤太志、成田和也 |
関東 | 平原康多、吉田拓矢 |
南関東 | 郡司浩平、岩本俊介 |
中部 | 浅井康太 |
近畿 | 村上博幸 |
中国 | 町田太我、桑原大志 |
四国 | 小倉竜二、香川雄介 |
九州 | 井上昌己、山田庸平 |
今回ウィナーズカップに出場する正選手の直近の平均競走得点は107.89(3月5日時点)。最も競走得点が高いのは松浦悠士(広島)の118.40で、低いのは新田康仁(静岡)の99.12だった。5日時点では競走得点100点未満の選手は3名。先日のGI全日本選抜では100点を切る正選手はいなかったため、選考条件による変動がここにも見える。
新田康仁は今期S級1班に復帰したベテラン選手。競走得点こそ100点を下回っているが、選考期間中の1着回数は18回で、全41走のうち25回が確定板という非常に車券貢献度の高い選手である。成績を見てみると、FIでもGIIIでも初日1着が非常に多かった。
さて、特殊な選考条件だが、各地区の選手数に偏りは出ないのだろうか? 全日本選抜競輪と比較して、以下の表にまとめてみた。
地区 | ウィナーズ | 全日本選抜 |
---|---|---|
北日本 | 18 | 17 |
関東 | 20 | 20 |
南関東 | 14 | 14 |
中部 | 11 | 7 |
近畿 | 12 | 15 |
中国 | 9 | 10 |
四国 | 7 | 8 |
九州 | 17 | 17 |
※3月5日時点の出場予定選手を集計
調べてみたところ2月のGI全日本選抜と比較して大きな差異はなく、中部の4人増が最も大きな変動だった。
GIIは今回の「ウィナーズカップ」のほかに7月の「サマーナイトフェスティバル」、9月の「共同通信社杯競輪」、年末の単発レース「ヤンググランプリ」があり、年に4回と少ない。ヤンググランプリ以外はすべて、FIレースでの成績が選考条件で重視され、若手選手にもチャンスがあるのが特徴だ。
「ウィナーズカップ」では、気になる若手選手を見つけてみるのも楽しいかもしれない。ぜひ、現地や中継で白熱のレースを楽しんでほしい。