2024/02/22(木) 12:00 0 6
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは浅井康太 34回目のG3V“上善如水"をお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
2月20日に最終日を迎えた高松競輪「開設74周年記念 玉藻杯争覇戦(G3)」の12R決勝はバトルロイヤル。浅井康太(39歳・三重=90期)が34回目のG3制覇を飾った。2002年4月に現行制度になってから、3日制の前節後節時代から1回勝つだけでも難しくなった。それを34回目…。
レースは前受けにこだわった菊池岳仁(23歳・長野=117期)の後位が佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)と東龍之介(34歳・神奈川=96期)で競り。抑えてきた町田太我(23歳・広島=117期)を菊池が突っ張ると、町田が番手にハマる。佐藤は福島武士(38歳・香川=96期)に押し込まれ(福島は押圧失格)、ホームで町田-松浦悠士(33歳・広島=98期)で仕掛け、東が菊池の後ろに追い上げる。
戦況を見極めた浅井は、井上昌己(44歳・長崎=86期)を連れ、2角から仕掛ける。浅井を見た松浦はバックから番手まくり。浅井は松浦の後ろに続こうとした東をキメ、松浦を追う。今回の好プレーは、ココ。
全員が入り乱れる流れの中、浅井は収まる所に収まった。上善如水。水は器に入ると、きれいにその形に収まる。逆らわず、自らの形を変えて…。もちろん、それを支えていたのは攻める気持ち。昨年11月の四日市G3決勝のように。
今回の走りについて★は4つ。その上で、度重なる落車がありながらも、体の状態を維持し続け、シリーズの中で上げ続けるプレーを足して★5つとしたい。
競輪仙人ーー。凄みを増していく浅井は、現行制度では誰も届かない数のG3制覇の高みに上っていく。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)