2024/02/19(月) 20:00 0 64
最終レースが終わり、東龍之介が佐藤慎太郎のところに行き「ちょっと、よろしいですか?」の声が聞こえたので、だいたい、何があるか察した。ここからは2人の世界にしないといけないので、記者は近づいてはいけないのが鉄則。そして数十分間の長い話し合いが終わり、佐藤慎太郎と東龍之介が一緒に現れて、まず慎太郎が口火を切った。
「お互い、腹を割って話し、折り合いがつかなかった。自分も引く訳にはいかないし、龍も自分のスタイルがあると思うので。今後、2人で勉強と言うか、プラスに働けば良いんじゃないかな」
東龍之介は「僕の我が儘だし、慎太郎さんに申し訳ない。だけど準決で菊池君に世話になったし、彼の強い気持ちを聞いたので」。記者陣から「3人共倒れのケースもあるし、納得して3番手を回れないのなら、町田太我の番手に行くのも方法のひとつでは? それなら周りも自分の強気なスタイルを魅せる事にもなると思うけど?」の問いには「そう言う意見がファンの中にもあると思う。だけど、自分で信念を持って決めた事なので」。
記者席にいた某有名解説者にも聞いてみたが「選手は、そのシリーズを通じて、どう勝ち上がったかも気にする。東はファイターだし、準決の流れを大切にしたんじゃないかな。もちろん、慎太郎の気持ちも察する事ができるけどね」。
馴れ合いでなく、男同士が勝負する世界。この2人の関係性も良いと思ったし、人間が走る競輪の魅力でもある。(町田洋一)