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【今週の競輪好プレー】小嶋敬二 輝き続ける“無意識のスター” /名古屋FI・最終日8R特選

2024/02/01(木) 17:00 0 15

東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは小嶋敬二の54歳を感じさせない魂の走りをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。

1月30日 名古屋競輪「スポーツ報知杯・S名古屋カップ(FI)」最終日8R S級 特選

みんなの憧れ小嶋敬二、右は増成富夫

 名古屋競輪場のナイターFⅠの最終日、1月30日にあの恒星が輝いていた。赤板で抑えて先頭に立つ巨星である。小嶋敬二(54歳・石川=74期)が800メートルの戦いに挑んでいた。

 競輪界の伝説の1人。54歳にしてなお、自力を出し、それもS級で…。勝ち星を挙げる偉大な人物だ。笑顔の人で、豪放磊落(らいらく)。北陸が生んだ英雄といっていい。

 いまだ、戦い続ける。

 残り2周で先頭に立った小嶋は、敢然と、また丁寧にペースを築く。4番手の位置から襲い掛かってくるのは小森貴大(34歳・福井=111期)だ。残り1周から、2角では突っ張り切る炎の先行。まず突っ張り切ったところが今回の好プレーになる。後続がもつれた4角からもスピードは落ちず、821個目の白星を手にした。

 54歳にして、こんなに頑張れるのか…。心を熱くしてくれる走りだった。石川は金沢の人。能登半島地震で甚大な被害を被った地元がある。自分の仕事を、自分の今を全うすることが、大事なこと…。

 ★は掛け値なしの5つ。苦しい時に頑張れるかどうかは、人間の底力を試す。そんな時に、人間の強さを見せてくれた。

 意図的なものではないだろう。“頑張らないと”の気持ちはあっただろうが、無理に…ではない。無意識に、小嶋敬二が走ることが、誰かに勇気を与える。こんなスターはそういない。

 今年も、まだまだこれからも見ていたい。小嶋敬二を、見ていたい。

すごいで賞=★★★★★(星5つ)

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