前回の松阪で初優出を決めたルーキー平野想真が白星スタートに成功した。前受けからの突っ張り先行を考えていたようだが、単騎の村上皇がカマしてくるとこれを冷静に受けて、タイミングよく番手まくりを敢行。9月以来の初日1着に「抜かれたかと思ったけど押し切れてよかったです」と笑顔が弾けた。

　ダッシュ力を武器とする在所18位の好素材だが、デビュー後は末脚不足に悩まされ、成績もやや物足りない印象。そこで前回の松阪では「勝ち上がれるように自在に立ち回りました」と、準決では別線の番手に飛び付くなどもうひとつの長所でもある器用さを前面に出した運行を見せた。

「松阪の岸和田では3日間バック線を取ったので、松阪では結果を重視して走ってみました。初めて乗れた決勝はすごく楽しかったし、また決勝に上がりたいと強く思いました。ただあまり(自在戦ばかり)やっていると、そういう選手だと思われてしまう。自力を基本にやりつつ、どうしても結果を出したい時は自在に、っていう戦い方で頑張っていくつもりです」

　30日の準決に向けては「自力も出したいけど決勝にも乗りたい。難しいですね…」と思案顔。果たして内容を求めるのか結果を求めるのか。平野の動向に注目したい。(netkeirin特派員)