2023/09/29(金) 17:00 0 2
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは石井寛子のガールズケイリンの原点の走りをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
玉野競輪場で開催されたミッドナイト競輪の2日目、9月24日に石井寛子(37歳・東京=104期)が魅せた。
ガールズケイリンの予選2・1Rは石井が打鐘で最後方という意外な展開。目の前に坂口楓華(25歳・京都=112期)がいたこともあるが、「おやっ」という展開…。
今の坂口なら黙っていても早めに仕掛けるだろう。しかし、リスクを負うことには他ならない。打鐘が過ぎると石井は動いた。一度、先頭に立ち、レースをつくった。そこに、重みがあった。
石井が動いたことで、坂口の仕掛けを呼び、番手に入り、そして差し切った。ガールズケイリンの究極ともいえる★5つの好プレーだ。
リスクを負わず、強力自力選手の後ろに位置できた場合、ある程度いい着を取れれば…と動かないのが現在多く見られる走りだ。点数や勝ち上がりを気にして動けないことが理由だが、戦うことを見せるのもプロの仕事。
石井のこのレースのように、自分で攻め、力を発揮することがガールズケイリンの原点だったはず。それを再度、教えてくれる走りだった。石井の走りは美しさを伴う。
瀬戸内の夜に描かれた点描を、心に刻んでほしい。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)