A級では存在感の違う渡邉晴智は、今期ここまで9走して2Vを含む6勝、確定板を外したのも一度だけという抜群の安定感を誇っている。

「たまたまですよ。でも悪くはないのかな。気負わずやることをやっての結果だしね。あっ、でも(完全Vした2場所目の)伊東だけは(仕事は)何もせず勝ちに徹したけど(笑)」と穏やかな表情で今期の走りを振り返った。

　そんな実力者は今年、ひとつの目標を密かに掲げている。

「年間100走をしてみたいなって」

　年間100走は、1年間ケガをせずコンスタントにレースに出場し続けなければ到達しない数字だ。

「まだ年間100走を達成したことがないのでね。今年は前半に50走以上できたし、このペースで無事に年末まで走り続けたいね」

　終始ニコニコと取材に応じてくれたが、息子・雅也の話題になると一転して険しい表情に。

「この前の落車したレース(小田原準決勝)見ましたか？ (成田和也の)ちょっとの動きであんなに飛ばされているようじゃ軽すぎる。失格になった成田がかわいそうだし、全く追い込みのセンスがない。まだまだ全然ダメですよ」

　厳しさは期待の表れ。雅也もこの経験を糧に一段とレベルアップすることだろう。息子に発破をかけつつ、自身も好成績を維持して父親の貫禄を示していくつもりのようだ。(netkeirin特派員)