2021/05/23(日) 10:00 0 4
5車立ての4着、大敗となってしまい50才の誕生日を飾れなかった加倉正義。「遅れていた大崎飛雄馬をがっちり決めたかったけど、アイツもホーム過ぎからはヘロヘロな感じだったからね。2コーナーでとどめを刺しにいきたかったけど俺がきっちり決めにいったら転ぶんだろうなと。あ〜あ、その優しさがいけない」と嘆く。
ウォーミングアップ中の成田健児が近寄ってきて「加倉さんの優しさは今に始まったことではないでしょ。吉岡稔真の時からそうだったでしょ。もっとシビアにならないと」と突っ込みを入れてくると、「厳しくなり切らんな」と更に深いため息と共にガックリとうなだれる。
「切り替えて自分で踏むという選択肢はどうでした? 」と尋ねると「たしかに余裕はあったからやろうと思えばできたけど、俺の中ではさっさと切り替えて1着を取るヤツは評価していないっていう信条みたいのがあるし周りにもそう言ってきたから、それはできないな。たとえ切り替えるにしてもギリギリまで待ってそこからになるけど、切り替えの見極めも難しいものがある」と昔気質の競輪道は決して忘れていない。というより体現者として後進に背中を見せ続けるスタイルを貫き通している。
ただ相当悔しさを引きずっているようで「誕生日だったし無観客とはいえ1着を取ってガッツポーズをするはずがガックリ首を落としてしまって首の骨が折れそうだったよ。それに成田健児さんにも怒られちゃったしね(苦笑)。人気を裏切ってしまったので(罰として)東京まで自転車に乗って帰ろうかな。本当に情けない」と、最後はファンに向けて深々と頭を下げてくれた。(アオケイ・渡辺記者)