まくった小畑勝広に尾崎剛が離れると見るや、渡邉は小畑を目掛けて快心ショット。見事に決まると小畑と逃げた林昌幸を一気に飲み込み圧勝した。

「小畑さんの後ろに入るまでは考えていた通りでした。冷静に踏めたし結果が出て良かった」

　直前の福井FIは初日に1着を挙げたものの、3走を通して納得いくレースが無かったようで「福井は消化不良でした。内容も良くなかった」と課題は山積みだった。その後も、まったく回復の兆しが無く、不安を抱えたまま当開催を迎えたという。それだけに初日から結果が出て気持ちも晴れた。

「直前は相当、悪かったんです。でも、1走してみたら思ったより良かった。競輪ってわからないものですね(笑)」と喜んだ。

　福井のあとには父・晴智からも大事な言葉をもらったという。

「父から『点数を気にしすぎじゃないか。構えすぎているし、もっと競輪を楽しんで走ってこい』って。とてもアバウトなアドバイスですけど、これで気持ちが変わったのかいいレースができました」

　点数を気にしないとは言えども今期はS級1班の点数を狙える位置にいる。

「そこが一つの目標になりますね。でも構えるような走りはしたくないしこの先も自分らしいレースをします」と父の金言を胸に秘め2日目以降も全力を誓った。(netkeirin特派員)