2023/03/05(日) 12:00 0 10
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは3日に行われた「高木真備&JFN&スポニチ杯(FII)」の予選で板根茜弥が見せてくれた炎の走りです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
京王閣競輪のナイター「高木真備名輪会杯(FII)」の初日、3月3日の予選8Rで、板根茜弥(33歳・東京=110期)がガールズケイリンの究極を行くパフォーマンスを披露した。近況好調の林真奈美(37歳・福岡=110期)が一人で先頭を走る流れーー。
板根は前に入った保立沙織(39歳・神奈川=118期)の後ろで「休んでしまった瞬間、何やってんだ!」と自らにムチを打ち、1角から自力を発動した。距離のある、林の背中を歯を食いしばって追いかけた。
京王閣競輪場では1着になると、ファンの前で勝利者インタビューを受けることができる。ファンに感謝を伝えられる大きな舞台だ。そこに行くために…。板根の炎の走りは実り、直線でとらえて1着ゴール。ファンの前に立ち、スーパーフライの名曲「タマシイレボリューション」を絶唱した。
ガールズケイリンのレースの中には、委縮してレースが動かないものもある。ポイントや代謝に関わる点数もあり、そうならざるを得ない心境は確かにある。しかし、根本はファンの前で走り、ファンとともに競輪を作り上げていくもの。
ファンに届くものがなければならない。
ガールズケイリンを愛し、ガールズケイリンについての記事をたくさん書いている松本直記者(デイリースポーツ)が「100点満点だよ!」と板根を激賞するレースでもあった。松本記者から送られた100点満点はもちろん★5つ。
歌というパフォーマンスも最高だったし、そこにつながる最高の走りがあった。松本記者の愛の形を、板根への表彰状としたい。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)