高知全日本選抜は古性優作の優勝。新田祐大のイン粘りに、びくともせず、逆に新田祐大の脚力をロスする事に成功。前検日から取材していたが、雑談の中に、高知記念を獲っている藤田竜矢の名前が何度も出て来た。

　藤田竜矢は「俺が優勝した事なんて誰も覚えていないよ。平成25年だから今から10年前。実は、あの大会は武田豊樹さん達が追走義務違反で失格。当時、記念の初日特選は3つあったけど、たまたま、自分は武田さん達と別のレース。あの武田さんのレースも阿竹智史君が当日欠場で8車立て。ジャンで単騎の中村一将さんがいたけど、武田さんは、根田空史君を牽制して、中村さんが見えなかったのかも。その中村さんが後続を千切って14秒1とかの上がりタイムで逃げ切ったと思う。そりゃー、追い付かないよ。俺は長野の上原龍君が行ってくれて優勝したけど、地味な優勝で全く話題にもならなかった(笑)」。

　今回は弟子の戸邉捺希が前検日に欠場して、予備から急遽、正規に繰り上がり。色々な因縁じみたものが競輪にはあるから面白い。(町田洋一)