今回が7回目の新しいビッグレース

　まず「ウィナーズカップ」は2017年に新設された比較的新しいビッグレースだ。出場選手の選考基準には、選考期間(今回は2022年7〜12月)における1着〜3着の回数が重視される。FI開催の決勝成績も加味されるため、グレードレースが壁になっている選手にもチャンスが与えられる。

　一方で、S班から陥落した選手にとっては厳しい条件でもある。実際、2021年と2022年のウィナーズカップ覇者・清水裕友はこの条件をクリアできず、今年は出場権を逃した。同様に吉田拓矢、宿口陽一の名前もない。

　ここで、これまでのウィナーズカップの優勝者を振り返ろう。

ウィナーズカップ歴代優勝者

年	開催場	優勝者	府県	年齢
2017	高松	郡司浩平	神奈川	26
2018	松山	武田豊樹	茨城	44
2019	大垣	脇本雄太	福井	30
2020	福井	松浦悠士	広島	29
2021	松阪	清水裕友	山口	26
2022	宇都宮	清水裕友	山口	27

　錚々たる顔ぶれではあるが、優勝者の年齢の若さも気になるところ。若手の登竜門といえば同じくGIIの「共同通信社杯」が思い浮かぶが、ウィナーズカップも20代に活躍のチャンスがあるのかもしれない。

別府は2019年以来5回目の特別競輪開催

　ウィナーズカップの開催場は持ち回りで、これまですべて異なる競輪場で開催されてきた。今回は別府競輪場。別府でのビッグレースが珍しいと感じた方もいるのではないだろうか。

　実際、別府ではGII以上の開催は過去3回しか行われていない。過去の結果を見てみよう。

別府GII以上開催の決勝結果

年	開催名	優勝者(年齢)	決手
2019	全日本選抜(GI)	中川誠一郎(39)	逃
2008	東西王座戦・東決勝(GII)	佐藤友和(25)	差
2008	東西王座戦・西決勝(GII)	小嶋敬二(38)	捲
2019	サマーナイト(GII)	村上博幸(40)	差

※東西王座戦は東・西別でカウント

　別府はやや直線の長い400バンク。海風の影響を受けやすいことから先行は不利と言われるが、2019年の全日本選抜では中川誠一郎が単騎で逃げ切り優勝している。

　同年のサマーナイトフェスティバルでは村上博幸が優勝。2着渡邉雄太、3着園田匠で3連単は11万円超えの高配当だった。4レースの出目と配当は以下の通り。

別府GII以上開催の出目と配当

年	開催名	出目	配当
2019	全日本選抜(GI)	①-⑨-⑤	25,260円
2008	東西王座戦・東決勝(GII)	⑤-⑨-⑥	13,010円
2008	東西王座戦・西決勝(GII)	⑦-③-⑤	7,120円
2019	サマーナイト(GII)	⑤-④-⑧	114,920円

別府が得意な選手は？

　最後に出場予定選手のうち、2020年以降に別府のFI以上の開催で優勝している選手と決手を下記に挙げる。

年	グレード	選手名	決手
2020	GIII	浅井康太	捲
2021	GIII	守澤太志	差
2020	FI	久米康平	捲
2021	FI	小松崎大地	捲
2021	FI	伊藤颯馬	差
2021	FI	町田太我	逃
2021	FI	原田研太朗	捲
2022	FI	太田竜馬	逃
2022	FI	橋本優己	捲
2022	FI	山田庸平	捲
2022	FI	伊藤颯馬	差
2023	FI	浅井康太	差

　複数回優勝があるのは浅井康太と伊藤颯馬。全体的に若手や自力のある選手の活躍が目立っているように思える。ウィナーズカップではどうなるだろうか。

優勝に近いのは…？

　以上を踏まえ、出場予定選手のうちデータ上で優勢な選手を下記に挙げる。

級班	選手名(脚質)	所属府県	年齢
SS	新山響平(逃)	青森	29
SS	松浦悠士(両)	広島	32
S1	坂井洋(逃)	栃木	28
S1	渡邉雄太(逃)	静岡	28
S1	太田竜馬(逃)	徳島	26
S1	瓜生崇智(両)	熊本	28

※出場予定選手3月3日時点