2023/01/10(火) 21:45 1 4
チャレンジ準決勝は3個レース。決勝に勝ち上がれるのは各レースの1〜2着選手と、3個レースの3着選手から1人。初日の着位が上だった坂本が3着の狭き門を突破し、決勝へ勝ち上がった。昨年11月の立川から約2か月ぶりの復帰戦で、さっそく結果をだした。
初日は全力でスタートを取りに行き、準決は本線の3番手を堅実に固め、車間を空けて援護した。
「初日はもう自分自身に“落ち着け”って言い聞かせた。準決は練習仲間の後輩(宮原貴之)が後ろにいたし、勇気を持って車間を切って踏みましたよ」と役目を果たし、心地よさげに汗をぬぐった。
2か月空いたのは「胃腫瘍摘出」の手術をしたためだったが、術後の経過もよくいつもながらに元気いっぱいで病気明けとは微塵も感じさせない。不屈のファイターは、やはりバンクで戦う姿が良く似合う。
「2、3年ぶりに人間ドックへ行ったら胃の裏側に腫瘍が見つかったんです。幸いにも大事には至らず、1週間安静にして体が動かせるようになりました。ゆっくりしていたら早く走りたくなってね。やっぱりオレはこの場所(競輪場)が好きなんですよ」
決勝は長谷川飛向-廣川貞治の3番手を固める。廣川は55歳と同学年。関東同士で長らく苦楽を共にしてきた戦友だ。
「(廣川と)こうしてまだ一緒に走れるのはうれしいね。お医者さんには(術後)5年は定期的に検査を受けなきゃいけないと言われているけど、それが終わる時は60歳。それまで選手をしていたいし、いい目標ができました」
酸いも甘いも嚙み分けたベテランが、熱いレースでひた走り、まだまだ存在感を示していく。(netkeirin特派員)