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【前橋競輪】時代から取り残された男・宗景祐樹

2021/05/01(土) 17:00 1 2

前橋競輪「関東スポーツ杯(FII)」初日。8R A級予選で1着を飾った宗景祐樹に話を聞いた。

渋いマーカー・宗景祐樹は、自分の生き方を貫いている。

 たらればは良くないが、宗景祐樹が昭和の時代に競輪選手をやっていたら、今以上のマーカーとして君臨していただろう。S級時代からジカで競りに行き、妥協する姿勢は見せていなかった。

「競輪道が何かは分からないけど、時代と共に競輪が変化して来たのは確か。オレにタテ脚があれば競りになんて行かないし、自力で強いのが一番。魅せにいく競りもやらないから、勝つ方法が番手勝負だった」。

 昨年のS級ではラインを組まず、単騎で走るレースも多かった。ぶれない姿勢を見せる為に、松戸開催では、あの神山雄一郎の後ろも回らなかった。「一貫性がないと何の信憑性もないので。オレがもっと強ければ、若手にも意見が言えたりアドバイスも出来る。何か分からないけど、よく競りに行く、変わったおじさんぐらいにしか思われていないだろう(笑)」。

 ラインに付いての考えを求めると「天才や才能がある選手なら自分だけの力で勝てる。天才なんて1%もいない。競輪界では新田祐大君とか深谷知広君とか一部。凡人が勝つには、ラインの力が必要。先行選手がマーク選手を信頼して、マーク選手も先行選手に身を呈する。3番手の選手も、番手の選手に敬意を表す。これがラインの理想型だと思っている」。宗景の走りは近代競輪にマッチしない。時代に取り残された男とも言えるが、マーカーの真髄は究めている。(町田洋一)

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