2022/11/07(月) 17:00 0 13
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は波乱のあった周防国府杯争奪戦で生まれた好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
防府競輪の「開設73周年記念周防国府杯争奪戦(GIII)」は6日に最終日を行い、清水裕友(27歳・山口=105期)が前人未到の大会5連覇を飾った。決勝は大量落車のあるものとなり、後味は…というものだったが、初日(3日)にシブ過ぎる好プレーがあったのは見逃せない。
一次予選11R、地元の桑原大志(46歳・山口=80期)だ。
前を任せた山根将太(25歳・岡山=119期)が抑え先行で長い距離を駆ける。番手マンの腕の見せ所だ。打鐘過ぎに3番手がもつれ、後位は別線の敵となる状況。
どうする…。
最終BSからは青森伸也(45歳・福島=87期)が自力に転じてまくってくる。これは、体を当ててブロック。その後…。
ブロックした後、空いた内を3番手に入っていた新田康仁(48歳・静岡=74期)が突っ込んでくる。ピンチだ!
が、戻ってくる桑原の動きを見て新田がひるみがちに入っているもの感じ、丁寧に内に閉じ込め、山根を2着に残してのワンツーを決めた。まさに“返す刀”。ブロックした後の内への対処が良かった。
お手本のようなプレーに★3つ。地元記念に挑む46歳。丁寧にその仕事をこなし、慌てて1着をと踏み込まず、冷静に前も残し切った。かつて“鬼脚”の異名を取った井上茂徳さんは「番手の仕事は外に張った後の内に戻る動きの方が大事」と話した。古き良き技を受け継ぐ走りが、準優勝につながっていた。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)