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【弥彦競輪】オレは、いつまでも渡邉晴智だよ!

2021/04/26(月) 13:30 0 5

弥彦競輪「関東カップ・日刊スポーツ賞(FI)」は26日、初日を迎えた。9レースに出走するGI覇者の渡邉晴智に話を聞いた。

タイトルホルダーの渡邉晴智は一時代を築いた、南関の鬼のマーカー。今節、一緒に参加している弟子の長田龍拳にも叱咤激励。

 地元静岡ダービーと高松宮記念杯の、2つのタイトルを持つ渡邉晴智。鬼のアウト競りで売ったし、誰もが怖れるマーカーだった。
「今の若い選手も、若い記者も、もう誰もそんなの知らないよ(笑)。あの時代の競輪を、伝えてほしい気持ちは当然あるけどね。今回参加の飯嶋則之の競りは抜群に上手かったし、一緒にしのぎを削った仲。成田和也も名前のあるマーカーだけど、世代的には、ちょっと下。今でも小野俊之とかは、競ってみたいね(笑)」。

 地元静岡ダービーを取ったレースを振り返ってもらうと
「あれは全部の流れがオレに向いた。中部の並びは小嶋社長、山田裕仁山口幸二、浜口高彰。あの煩い大御所3人を連れて、普通なら小嶋社長の先行。それを山崎芳仁が鐘の4角からスパートしてくれた。そこまでの山崎はまくり3連発で3連勝。だから、北日本の選手が不在だった。それで番手が転がり込んできて、ゴール前、わずかに差した。たまたまとも言われたけど、その展開になった時と言うか、チャンスが巡ってきた時は、勝てるような猛練習をやっていたからね。運も確かに大きいけど、引き寄せる努力は怠っていなかったつもりだよ」。

 マーク屋の定義については「これが一番難しい。前を抜けない、車間を切れない、ダッシュに付いて行けない、蟹みたいにヨコに動く。若い子や、新規ファンは、そんなイメージだろうか。だけど、もっと信念を持って走っているし、奥深いのがマーク屋。それについては、語りたいから、また時間を作ってよ。7車になり、その真髄を魅せられなくなったのは寂しいね」。

 現状の競走得点は98点。これは街道練習中の事故の影響だ。それでも、“マーク屋のプライド”を持って走っているし、周りを見る目も、他の選手とは違いがある。これが渡邉晴智が“渡邉晴智”である所以だ。

 最後に「息子はデビュー。娘は自転車経験がないけど、わずか数ヵ月の練習で養成所に合格した。これからの楽しみは、子供たちの活躍」と言い、その時だけは父親の顔になり目を細めた。(町田洋一)

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