2022/10/18(火) 20:00 0 6
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回はラインの結束力が生んだ好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
小田原競輪のモーニングFIIの最終日、10月18日。 7R・A級決勝は九州の超新星・後藤大輝(21歳・福岡=121期)が9連勝での特別昇級をかけての戦いだった。対する別線勢は、ひと固まりとなって後藤の特進を阻止しようとする。
愛媛の林昌幸(20歳・愛媛=119期)に南関の菅原裕太(31歳・静岡=100期)ー佐々木龍(31歳・神奈川=109期)ー伊豆田浩人(43歳・神奈川=87期)が付ける。簡単に決めさせない。なりふり構わず、意地でも…の思いがあった。
今回の好プレーの顔は優勝した菅原だが、このライン全員でもあり、また最後の最後まであきらめずに戦った後藤も、だ。スーパーレースだった。
林が敢然と風を切る。他地区の選手たちが付いているなどとは関係ない。今の戦いに身を投じた。巻き返す後藤をまず佐々木が傲然とけん制。
龍、何を信じて走っている? それは、ライン。菅原は2角から番手発進。林の走りを無駄にはできない。
それでも2センターでは後藤がやや前に出る。後藤、強い!
しかし、菅原の最後のむき出しの抵抗。首を懸命に後藤にかけ、もはや殴り合い。2発入れたところで後藤もきつかったか…。菅原が押し切り、2着には中を割って佐々木。後藤が3着も横一線の争い。
「林君があそこまで行ってくれた以上は優勝しなきゃと思って必死でした」(菅原)
★は5つ。見ていて「グオー」「ウァ〜」とうなりが出るような素晴らしい戦いだった。競輪だな…と感動できた瞬間があった。後藤はまた、強くなるはず。「むき出せ!! 青春!!」
すごいで賞=★★★★★(星5つ)