2022/10/11(火) 18:00 0 3
松阪競輪の開設72周年「蒲生氏郷杯王座競輪(GIII)」の初日、10月7日に燃える3番車が静かに噴火した。一次予選11Rを走った内藤秀久(40歳・神奈川=89期)だ。その名を知れた猛烈なエキサイティングファイター。落車失格を恐れず、その数も多い。
そんな男が見せた静かな好プレーがあった。前を任せた渡辺雄太(27歳・静岡=105期)が後方となり、まくっていくが外の外。内藤としては強引にでもコースをこじ開けて…というのがこれまでのところだった。
だが、静かに…音も振動もない噴火だった。
3角から集団の中に身を投じるが、力は体内にのみ向けられる。一度、月森亮輔(30歳・岡山=101期)に体を当てるが最小限の動き。他の喧騒には目もくれず、ゴール線を1着で駆け抜けた。
何かが彼を変えたのか。それとも、単純な脚力の向上、状態の良さが生んだものなのか。40歳にしてたどり着いた境地があるようだ。
常に暴れる男が静かに闘志を秘める時、より恐怖を与える。
★は少ないが2つ。ぜひ、この★を積み重ねていくことで、頂点にたどり着いてほしい。そして★を必要としないような、★では表現できないような“究極のマーカー”として君臨してほしい。競輪や他のスポーツもそうだろうが、見せることは必要、その上で“見せない”すごさを見せた好プレーだった。
すごいで賞=★★☆☆☆(星2つ)