今期は久しぶりのA級戦。それでも7月の当地で行われたミッドナイト競輪では優勝をするなど幸先のいいスタートを切った。だが、その後は大きなヒットがなく手探り状態が続く。

「あの時より体の状態はいいのに成績は逆方向に向いているんです。もう少し戦えると思ったけどあの一発だけでしょ。今回は3日間、確定板に乗りたいね。でも(三宅)伸さんが阻みにくるだろうな(笑)」と冗談めかしたが、状態がいいからこそ結果が伴わない近況がもどかしい。

　前検日にあわただしく準備をしていると、管理を通して加倉宛に何やら電話がかかってきた。

「次の久留米(熊本代替GIII)の誘導の話で。誘導は熊本の選手プラス久留米の選手1人なんです。久留米の役員から出す事になっていて当初(高木)和仁の予定だったんだけど、この間の小倉を落車して次の配分の欠場届を出したので(誘導を)ひけなくなったんです。そこでこっちに電話が来た。ただ自分は開催指導員をしているから本来はひけないんです。だけど役員で空いていたのが自分と和仁だけだったので、特例でひくことになりました」という。

　周りからは「恵まれましたね」「ラッキーですね」と言われていたが「俺はそれよりも本チャンで恵まれたいよ…」とポツリ。ベテランの心の叫びのように思えた。(netkeirin特派員)