2022/09/26(月) 11:45 0 5
岸田-中畑-松岡の近畿3車に善方-小田桐の東北勢、渡辺-志村の神奈川勢の3分戦。前受けの岸田は、赤板手前から上昇してきた善方を突っ張って出させず先行。しっかりと後ろ2人を連れて楽々と逃げ切り、余裕すら感じさせる走りだった。
レース後は「西武園のバンクは走りにくさは感じなかった。自分の状態は良くもなく悪くもない。作戦は前を取って、そのまま突っ張るつもりでいました。突っ張り先行が初めてなので上手くいってよかった。これまでは引いてカマすレースが多くて、だいぶドキドキでしたね(苦笑)。ラインで決められたし、1番人気に応えられてよかった…」と安堵の表情。
「相手次第ですが、これぐらい突っ張れば後ろに引くんだな、と感じは掴めた。前でどれくらいのペースで踏めばいいのかはまだ分からないけど、後ろを見て警戒しながら走れば、後ろも駆けにくいかなと思って走りました。今回で突っ張りを覚えて、戦法が一つ増えた。一戦一戦が勉強ですね」と貪欲な姿勢を見せる。
師匠は輪界最強の男・脇本雄太。現在、脇本の弟子は実弟の勇希に小松原正登、岸田の3人。
「脇本さんが福井に帰ってきて、一緒にみんなで練習している。やっぱり最初は師匠と話すのは緊張しましたけど、最近は自分からもアドバイスをもらいに。教え通りに競走では『ホームとバックを取ること』を意識しています」。
弟子入りの経緯を伺うと「弟の勇希とは高校の同級生。競輪選手を目指すとなって相談に乗ってもらった。脇本さんもオリンピックを終えて、ちょうど帰ってくるくらいのタイミングだったし、脇本さんは誰もが認める強い選手。自分も教えてもらいたいと思い、弟子入りをお願いしました。本当にいいタイミングで恵まれていますね」と話す。
そんなワッキーの秘蔵っ子・岸田の自転車を見ると、見覚えのあるカラーリング。
「脇本さんに養成所時代からずっとお借りしているもの。脇本さんとは身長も同じくらいなので。もらったわけでは…ないです(笑)。自分のフレームですか? 今、注文しています。このフレームと似ている感じだけど、少しだけトップチューブを小さくする。これはケルビムで、今度はマキノです。理由は脇本さんが今、使っているメーカーだから(笑)」と明かす。
偉大な師匠の背を追いかける岸田には高いポテンシャルとスケールを感じるし、今後の飛躍が楽しみな選手の一人だ。向日町記念を走る師匠に負けない力走に期待したい。(アオケイ・八角記者)