2025/11/02(日) 19:00
2025年11月2日 飯塚オート
SG第57回日本選手権オートレース(5日目)
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【9R=準決勝戦】
*8周回 4,100m(走路状況:良)
7・松本康がフライング。2本目のスタートは1・鈴木宏和が最内から先頭を譲らず、逃げていく。2番手は3・荒尾聡がつけるが、4・佐藤励が2周回目に荒尾をかわして2番手に浮上する。佐藤励は逃げる鈴木宏との差をじわじわ詰め、7周回1コーナーでインに入り一旦は先頭に立つも、同2コーナーで鈴木が再逆転で先頭を奪い返す。そのまま鈴木が押し切り1着。2着に鈴木、3着は荒尾が入線した。
1着/鈴木宏和(浜松31期)
競走タイム:3.398
競走車名:ナアーモ
ランク:S16
今節の成績:2着・1着・1着・1着・1着
SG優勝:0回
SG優出:9回目(25年グランプリ以来)
※日本選手権の優出は2年連続2回目
優出一番乗りを決めたのは鈴木宏和。1枠からトップスタートを決めて、佐藤励が追い上げてきたが「音が聞こえてきたので、(コースを)外さないように」首位争いを制して、2日目から4連勝&オール連対で日本選手権2年連続の優出を決めた。今年2月の全日本選抜も2日目から4連勝で準優勝。今回の優勝戦は2枠から超抜スタートを決めて、9回目の挑戦でSG初タイトル奪取なるか。
2着/佐藤励(川口35期)
競走タイム:3. 400
競走車名:シロウWV・S
ランク:S6
今節の成績:1着・1着・2着・1着・2着
SG優勝:1回(25年オールスター)
※SGは2回目の優出
先頭を行く鈴木宏和のインを狙ったが2着。今節ここまでオール連対の安定感で、準決勝戦の2着で41レース連続の掲示板入り。4日目は競走タイム3.374での1着取りもあったが、エンジンは「昨日よりは落ちた」との評価。SG優出は初優勝した今年のオールスター以来2回目で、「今度はしっかり抜けるように」整備の手を動かしていく。5番目の選択順で、空いている4枠ではなく5枠に入ったが、これがどうでるか。今年2回目のSGタイトル奪取に期待だ。
◆9レース結果
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【10R=準決勝戦】
*8周回 4,100m(走路状況:良)
スタートは3・栗原佳祐が先制。2番手に4・青山周平が付け、1周回3コーナーで栗原のインに入り、早くも先頭に立つ。2番手に栗原が続き、3番から2・丹村飛竜が迫っていく。青山が徐々にリードを広げる中、7周回1コーナーで丹村が栗原をとらえて2番手に浮上。そのままの態勢で、青山が1着、2着に丹村。最終周期で佐藤貴也が栗原をかわして3着に入った。
1着/青山周平(伊勢崎31期)
競走タイム:3. 380
競走車名:ハルク・73
ランク:S1
今節の成績:1着・1着・2着・2着・1着
SG優勝:18回(25年全日本選抜)
※日本選手権は18年、19年、22年、23年の4回優勝
今開催は2日目に自身9回目の10連勝を達成。準決勝戦は「今節の中で一番感触が良かった」というマシン気配から、しっかり人気に応える1着で5年連続の日本選手権優出を果たした。さらに飯塚での日本選手権は連続優勝中。今回の優勝戦は3枠になったが、好実績を残す当地でナンバーワンが再び頂点に立つか。
2着/丹村飛竜(山陽29期)
競走タイム:3. 390
競走車名:ヒシャカク
ランク:S14
今節の成績:1着・3着・1着・4着・2着
SG優勝:0回
SG優出:6回目(22年オールスター以来)
※日本選手権は2019年以来3回目の優出。
スタートから3番手に付けると、「(栗原佳祐が)しめだしたので、チャンスがあれば」と7周回目にインに飛び込み優出圏内に入った。SG優出は約3年ぶりで、山陽勢にとっても2023年オールスター以来(角南一如)となる準決勝戦突破だった。「今日が一番いい」との評価で、タイヤは交換していく。今回の優勝戦は6枠から、悲願のSG制覇&スーパースター王座決定戦トライアルへの出場を目論む。
◆10レース結果
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【11R=準決勝戦】
*8周回 4,100m(走路状況:良)
スタートは最内の1・吉林直都が2・佐藤摩弥を突っ張って主導権取り。吉林が逃げて、2番手に佐藤、3番手も3・早川清太郎が上がり、内枠勢が上位を形成。吉林は快ペースで逃げて、徐々に後続との差を広げる。5周回3コーナーで早川が佐藤をとらえて2番手に浮上するも、抜け出した吉林がそのまま逃げ切り1着。2着に早川、3着に佐藤が入線。4・鈴木圭一郎は4着で、3連単は4万円台の高配当決着となった。
1着/吉林直都(浜松36期)
競走タイム:3. 385
競走車名:アラレ
ランク:S29
今節の成績:3着・1着・4着・3着・1着
SG優勝:0回
SG初優出
まさに初物づくしの優出だ。初出場の日本選手権で準決勝戦(※SGの準決勝戦はオールスター以来)に進出すると、「スタートが大きかった」と1枠から好ダッシュを決めて、快ペースで8周回を押し切った。初の舞台にも「冷静に走れました」と泰然自若で、エンジンも下周りをやって手応え良好。今度は初のSG優勝戦=10周回が待ち受ける。枠番選択では4番目に8枠を選ぶ勝負に出た。結果によってはスーパースター王座決定戦トライアルへの道まで見えてくるだけに、優勝戦もピンクの勝負服から目が離せない。
2着/早川清太郎(伊勢崎29期)
競走タイム:3.
競走車名:シナモン・F
ランク:S26
今節の成績:2着・3着・2着・不成立・2着
SG優勝:0回
SG優出:19回目(22年:SS王座決定戦)
※日本選手権は2022年以来5回目の優出
今開催は不成立のレースもあったが、1着こそ無いものの4度の掲示板入りで、2022年以来のSGファイナル進出を決めた。マシンは「全体的にいい」、タイヤも「5日間で一番良かった」と好感触。優勝戦は最後の選択で7枠になったが、「自分らしいレース」で念願のSG初タイトルを狙う。また、現在はスーパースター王座決定戦トライアル戦のポイントが2点。ラストチャンスを掴むか。
◆11レース結果
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【12R=準決勝戦】
*8周回 4,100m(走路状況:良)
センターから5・木村武之も飛び出すが、1枠の有吉辰也が先手を譲らずに展開を作っていく。2番手は木村、3番手以降は高橋貢、永井大介が続く。3周回目に永井が高橋をかわして3番手に上がり、さらに木村を追う。有吉はそのまま押し切り1着ゴール。7周回目に永井は木村をとらえて2着。25期のワンツー決着となった。3着は木村が入線した。
1着/有吉辰也(飯塚25期)
競走タイム:3. 371
競走車名:キックアス
ランク:S5
今節の成績:1着・1着・1着・1着・1着
SG優勝:3回(12年:全日本選抜)
12レースを迎えるまでに、飯塚勢の優出がゼロ。プレッシャーのかかる中、1枠からスタートを決めて、初日から無傷の5連勝で、地元勢から唯一ファイナル進出を決めた。今開催はポスターモデルも務めており、ロッカーでは「ホッとしています」と安どの表情。優勝戦に向けて引き続きドドド対策をして、約13年ぶりのSGタイトル奪取を完全優勝で狙う。地元ファンの声援も追い風に、優勝戦も1枠からのスタート攻勢に注目だ。
2着/永井大介(川口25期)
競走タイム:3.383
競走車名:ビンテージ
ランク:S18
今節の成績:1着・2着・1着・2着・2着
SG優勝:15回(18年:SS王座決定戦)
※日本選手権は10年、11年、12年、15年の4回優勝
※23年の日本選手権以来のSG優出
序盤で3番手に上がると、鋭く追い上げて木村をとらえて2着。ここまでオール連対で優勝戦に駒を進め、ロッカーでは祝福の中、「(優勝戦に)乗りました!」と笑顔で応えた。過去に日本選手権を3連覇したのは永井だけだが、SG優出は23年の日本選手権以来、遠ざかっていた。「乗り味はいいけど、手前や直線が弱い」ところを、どう策を施していくか。スーパースター王座決定戦トライアルへの逆転出場もかかっており、優勝戦は4枠から、7年ぶりのSG制覇に挑む。
◆12レース結果
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【最終日・12R=優勝戦】
*10周回5,100m 0mオープン戦
1/有吉辰也(飯塚25期)1番目
2/鈴木宏和(浜松32期)2番目
3/青山周平(伊勢崎31期)3番目
4/永井大介(川口25期)6番目
5/佐藤励(川口35期)5番目
6/丹村飛竜(山陽29期)7番目
7/早川清太郎(伊勢崎29期)8番目
8/吉林直都(浜松36期)4番目
※右数字はハンデ
準決勝戦1着選手の予選での得点上位選手から順番に希望枠を選択。2着選手も同様に選択をしていく。
まず1番目に有吉辰也が1枠を選び、鈴木宏、青山が順に内から選択する。そして、4番目の吉林は「8枠」を選択。さらに5番目の佐藤励は5枠を選び、6番目の選択だった永井は空いている4枠へ。残りの6枠・7枠は丹村、早川が内から順に入った。
ここまでただひとり初日から5連勝で優出したのは地元の有吉辰也。もちろん準決勝戦同様にインからスタートを決めて10周回を逃げて、自身4回目のSG制覇を狙いたいところだが、日本選手権4Vの青山や、今年SGウィナーの仲間入りした佐藤励、スタート巧者の鈴木宏も好枠からSG初優勝を狙う。そして、8枠を選んだ吉林の動向も気になるところだ。
スーパースター王座決定戦トライアルに向けた、最後の決戦。最終日の天気も雨の心配はなさそうで、良走路のコンディションで迎えられそうだ。
大注目の優勝戦は、第12レース=16時50分発走予定。
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【スーパースター王座決定戦トライアル出場争い】
1:2025年SG優勝者
青山周平※ 第38回全日本選抜オートレース(浜松)
佐藤励※ 第44回オールスターオートレース(川口)
鈴木圭一郎 第29回オートレースグランプリ(伊勢崎)
??? 第57回日本選手権オートレース(飯塚)
2:各場競走成績第1位選手
川口地区:黒川京介
伊勢崎地区:青山周平※
浜松地区:鈴木圭一郎
飯塚地区:有吉辰也※
山陽地区:松尾啓史
3:SG・プレミアムカップ優勝戦得点上位選手
1位:金子大輔(21点)
2位:佐藤摩弥(17点)
3位:鈴木宏和(14点)※
4位:荒尾 聡(11点)
5位:中村雅人(10点)
6位:佐藤貴也(6点)
7位:伊藤信夫(6点)
8位:篠原 睦(4点)
9位:高橋 貢(4点)
10位:長田稚也(3点)
11位:早川清太郎(2点)※
12位:平田雅崇(1点)
永井大介※
丹村飛竜※
吉林直都※
※選手は今回の優出選手
優勝者は出場確定。さらに優勝戦の2着:10点、3着:8点、4着:7点、5着:6点、6着:5点、7着:4点、8着:3点、責外:4点、責任:0点
今年のSG優勝と各場1位で6名が確定している。残りは日本選手権の優勝者と、重複しない場合は9名がポイント上位からの選出となる。現状では9位は高橋貢になっており、早川は2点、永井、早川、吉林の3名は0点であり、ここがラストチャンスの勝負駆けとなる。6位〜9位の4選手は優出を逃しておりポイントの加算がないため、結果待ち。勝負駆けの4名が上位着をそろって取った場合は、伊藤信夫まで逆転される可能性があるため(※修正しました)、ポイント争いの行方は最後まで必見だ。
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【覇者が語る日本選手権!】
「覇者が語る日本選手権!!」と題した今村豊さん(元ボートレーサー)と平原康多さん(元競輪選手)によるトークショーが、飯塚オートの場内ステージにおいて第6・8・9R発売中に行われた。今村さんは全日本選手権競走を87年、88年、90年の3回制覇。平原さんは24年に日本選手権競輪を初制覇している。
ともに飯塚オートレース場の来場は初。まず最初に両者の生涯獲得賞金額を聞かれ、今村さんは「29億くらい」、平原さんは「17億」と答えると、場内からは驚きの声が。
ボートの全日本選手権について、今村さんは「ボート界の日本一を決める大会。出場資格が勝率なので、とにかく成績を上げないと出られない。グランプリなど大きな大会はありますが、(グランプリは)マグレでもなんでもSGを勝てば出られる。でも、選手権はマグレでは出られない」。一方の平原さんは「年末にKEIRINグランプリがありますが、そこはお祭り的な要素もある。(日本選手権は)獲得賞金額で出場者が決まる。日本一強い選手を決めるのは、日本選手権だと思います」と、各公営競技界でも、それぞれの選手権が実力ナンバーワンを決める大会だと語った。また、平原さんは昨年の日本選手権競輪の覇者。「まさか昨年優勝して、今ここにいるとは(笑)。昨年優勝して、今年は負けましたが、引退するキッカケになった、最後のレースが日本選手権。それだけ自分の中では印象的な開催」と振り返った。
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【直近のSG日本選手権・優勝者一覧】
2024年11月(川口)優勝者:黒川京介
2023年11月(浜松)優勝:青山周平
2022年11月(飯塚)優勝:青山周平
2021年11月(浜松)優勝:鈴木圭一郎
2020年11月(川口)優勝:森且行
2019年11月(飯塚)優勝:青山周平
(P-Navi編集部)