【開催直前展望】第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントG1は前橋で23日開幕!

2025/10/21(火) 18:30

第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントG1が、23日より前橋競輪場で開幕する。今年も残すG1は、この寛仁親王牌と競輪祭のみとなった。当然、年末のKEIRINグランプリ出場をかける戦いも、ヒートアップしていく。さらに、今回の舞台はスピードバンクの前橋。近畿勢が今回もシリーズの中心となるのか、他地区の反撃があるのか。S級トップレーサーによる短走路ならではの激しい攻防が予想される。どのようなドラマが生まれるのか、4日間の激戦が、いよいよ始まる。

◆初日の出走表(23日更新)はこちらでチェック
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近畿勢が今開催もV争いをリード

古性優作、脇本雄太

今年の後半戦に入っても近畿の勢いが止まらない。8月オールスターで寺崎浩平がG1初優勝、9月共同通信社杯G2では南修二がビッグレース初優勝を果たしている。前半戦で脇本雄太は今年G1を2度優勝、古性優作もG2を1つ優勝して賞金ランキングで2位につけており、ビッグレースを席巻中だ。決勝に多数の近畿勢が名を連ねるシーンも多く、ラインの総合力でも他地区をリードしている。
今回は初日シードレースに、日本競輪選手会理事長杯は脇本雄太、古性優作の2名、特選は寺崎浩平、岸田剛、内山慧大の3名がエントリー。
中でも古性は寛仁親王牌を連覇中で、史上初の大会3連覇がかかる一戦となる。7月サマーナイトフェスティバルの落車で右肩鎖関節脱臼を負った。復帰後はオールスターで準優勝、共同通信社杯は決勝失格、直前の松阪G3は決勝4着。まだ今年はG1タイトル獲得がなく、周囲の戦績も限りなくハイレベルなだけに、自身からも力不足とのコメントは聞かれるが、復調を加速させて好実績ある大会で3年連続の頂点取りに挑む。
今年グランプリスラムを達成した脇本は、これまで前橋での寛仁親王牌を2回優勝(2018年、2020年)。9月地元の共同通信社杯は準決勝敗退もシリーズ3勝。次の京王閣G3では道中不利がありながらも、豪快な捲りで優勝しており圧巻のスピードを改めて見せつけた。「福井バンクが使えないことで、悪い影響が出ないようにカバーすることが最優先」としながらも、「G1も調子を落とさず頑張りたい」と意気込む。年間3回のG1優勝なら、古性優作以来、史上7人目の記録達成となる。
寺崎浩平は8月のオールスターでG1初制覇、9月の共同通信社杯は準優勝。近況はレースの主導権を握って、しっかりと勝ち上がっており、存在感は増すばかり。すでに初のグランプリ出場権を獲得しており、今後のレース運びはさらに注目されるところ。高速バンクでスピードをフルに発揮して、G1連続優勝なるか。
先述の通り、南修二は共同通信社杯でビッグレース初優勝。賞金ランキングも7位につけており、初のグランプリ出場も現実味を帯びてきている。タテ勝負の鋭さも特筆するところで、充実した近畿ラインの連携から、年末の大一番へさらに前進させたい。

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関東勢は地元G1でリズム取り戻す

眞杉匠、吉田拓矢

地元地区のG1開催となる関東勢の奮闘にも期待だ。
眞杉匠は7月のサマーナイトフェスティバルG2を優勝。8月オールスターG1では準決勝敗退に終わったが、8月西武園G3を豪快な捲りで優勝している。9月はあっせんをしない処置で出場は無く、戦列に戻った10月京王閣G3は決勝で失格。準決勝では「自転車とマッチしていない」と振り返っていたが、このG1に向けて修正して、2年ぶり3回目のG1制覇をもくろむ。
今年のダービー王である吉田拓矢は、8月西武園G3は準決勝で落車。9月共同通信社杯は一次予選で敗退(抽選)、10月京王閣G3は二次予選で落車と後半戦はリズムが悪いが、地元G1でその流れを払しょくできるか。もちろん、眞杉と吉田の連携実績は抜群なだけに、両者を中心に関東勢の躍進は十分だ。理事長杯スタートの雨谷一樹や、佐々木悠葵や森田優弥、小林泰正らも地元G1でビッグチャンスを掴みたい。

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南関東が久しぶりのV戴冠へ

郡司浩平、岩本俊介、深谷知広

南関東はS級S班の郡司浩平、岩本俊介に、深谷知広、松井宏佑の自力型、和田健太郎や松谷秀幸、小原太樹ら追込型とバランスよく好連携が見込める主力級が今回もエントリー。
郡司は6月青森で今年6回目のG3優勝を達成。後半戦に入ってから失格や優出漏れなど流れが悪かったが、より積極的なレースも意識して、自ら勝利を引き寄せた。あとはこの好調子をいかにG1戦でも発揮できるかが今年のカギ。南関東地区から16年ぶりとなる寛仁親王牌のタイトル奪取にも期待だ。
南関東勢は賞金ランキングでも注目の的となる。深谷知広は現在8位で2年ぶりのグランプリ出場圏内にいる。前橋は14年前にG1初優勝を達成した場でもあり、スピードバンクで持ち味のパワーをいかんなく発揮する。岩本は8月松戸G3で深谷知広の番手から地元優勝。賞金ランキングは13位につけており、2年連続グランプリ出場へ、ビッグヒットが欲しいところ。また、松井は12位、松谷は14位につけている。松谷は9月共同通信社杯での落車負傷の影響が気がかりだが、松井は初日特選に繰り上がったアドバンテージを活かしたいところ。

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中国・四国勢は復調なるか

清水裕友、犬伏湧也、松浦悠士

他地区に比べて、やや劣勢に立たされている感が否めないのが中国・四国勢だろう。グランプリ出場争いも賞金ランキング11位の犬伏湧也が最上位となっている。その犬伏はS班の重圧とも戦いながら、9月奈良G3でS班昇格後の初優勝。「ずっと苦しかったので、少しホッとしています」と、ひとつ結果を出したことで安どの表情を見せていた。現在の位置を把握したうえで、「残り2つのG1で結果を出さないとグランプリ出場が見えてこない」と気を引き締める。松阪G3での急性胃腸炎による途中欠場は心配材料も、初のグランプリ出場に向けて、持ち味の豪快なレースで圧倒したい。
また、清水裕友は16位、松浦悠士は50位圏外と苦しい状況。清水は9月岐阜G3を犬伏マークから優勝したが、共同通信社杯は準決勝敗退、京王閣G3は二次予選で勝ち上がりを逃している。7年前にG1初優出を決めてブレークした当地で、存在感を示すか。
松浦悠士はサマーナイトでの負傷から、10月京王閣G3で復帰。二次予選では約3カ月ぶりの1着を奪取した。準決勝は失格で復帰戦は終わったが、自身のコラムでは「自分の思う以上に気持ちも体も戦う態勢になっていた点は良かった」(松浦選手のコラムはこちらからご覧下さい)と振り返っている。残りのG1はあと2つ、グランプリへは優勝しかない状況だが、ここから勝負強さを発揮したい。初日は理事長杯へ繰り上げりで出走が決まっており、同地区は不在だけに、動向は注目したい。

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今開催は新山響平がキーマンとなる

新山響平

S班の新山響平は、地元の9月青森G3こそ郡司浩平の捲りをとらえ切れず準優勝だったが、10月松阪G3では北日本ライン4車結束で 、酒井雄多の主導権取りから番手の新山が抜け出して優勝を飾った。G3優勝は昨年11月四日市以来で「ラインのおかげ」と感謝しつつ「もうひと追い込みして、寛仁親王牌に臨みたい」と、今開催へ照準を合わせている。他地区にとっては脅威でしかない自力戦はもちろん、現在の賞金ランキングは9位で、まさにグランプリ出場争いのボーダー上である点も見逃せない。初日の理事長杯に同地区はいないものの、菅田壱道、守澤太志、佐藤慎太郎、成田和也、渡部幸訓らとマーク陣はそろっており、新山の走りから北日本の上位進出は十分見込める。

もちろんG1はまだまだ各地区から優勝候補が多数集結。
F1戦ながら連続優勝している山口拳矢、シャープな決め脚が光る浅井康太らの中部勢、嘉永泰斗、荒井崇博、山田英明、園田匠ら軽視できない布陣の九州勢も要注目だ。

競輪界屈指の高速バンクである前橋で、トップレーサーが繰り広げる極限のスピードバトルは、グランプリ出場争いとともに、見逃し厳禁。息をのむほどのスピード対決を制して、真っ先にゴール線を駆け抜けるのは…!? 

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初日の想定番組はこちら

【初日12R=日本競輪選手会理事長杯】
1/古性優作(SS・大阪100期)
2/眞杉匠(SS・栃木113期)
3/郡司浩平(SS・神奈川99期)
4/松浦悠士(SS・広島98期)
5/新山響平(SS・青森107期)
6/雨谷一樹(S1・栃木96期)
7/岩本俊介(SS・千葉94期)
8/吉田拓矢(S1・茨城107期)
9/脇本雄太(SS・福井94期)

【初日11R=特別選抜予選】
1/山口拳矢(S1・岐阜117期)
2/菅田壱道(S1・宮城91期)
3/犬伏湧也(SS・徳島119期)
4/根田空史(S1・千葉94期)
5/岩津裕介(S1・岡山87期)
6/内山慧大(S2・福井123期)
7/深谷知広(S1・静岡96期)
8/村田祐樹(S1・富山121期)
9/松本貴治(S1・愛媛111期)

【初日10R=特別選抜予選】
1/菊池岳仁(S1・長野117期)
2/清水裕友(SS・山口105期)
3/寺崎浩平(S1・福井117期)
4/岸田剛(S1・福井121期)
5/松井宏佑(S1・神奈川113期)
6/川口聖二(S1・岐阜103期)
7/河端朋之(S1・岡山95期)
8/金子幸央(S2・栃木101期)
9/松谷秀幸(S1・神奈川96期)

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加藤慎平さんの開催展望や、前橋バンクの特徴、勝ち上がりや開催データは、第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント特集ページにて掲載しておりますので、こちらでご確認ください。
【第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントG1特集】

※掲載は10月21日出場予定のメンバーとデータです。
(P-Navi編集部)

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