【ハワイでどっぷり自転車三昧!】ホノルルセンチュリーライドツアー・アフターライド

2025/02/25(火) 17:00

ホノルルセンチュリーライドツアーでは、大会翌日にもオプションでアフターライドが設定されている。早朝からのモーニングライドと、ノースショアを走るアフターライドだ。

※ホノルルセンチュリーライドツアーのレポートはこちら
プラクティスライド
センチュリーライド2024(前編)
センチュリーライド2024(後編)

ホノルルセンチュリーライドツアー最終日はショートヒルクライムから始まる。ワイキキを見晴らす「タンタラスの丘」にて

モーニングライド

大会翌朝は、「タンタラスの丘」に向かうモーニングライドが設定されている。 ツアーデスクからスタートし、標高614m地点の展望台を目指す片道およそ10km程度のヒルクライムだ。「タンタラスの丘」は古代から神聖視されていた場所であり、美しい海とワイキキ市街地を一望できる絶景スポットだという。前日の疲れはあるが、ワクワク感の方が勝った。

朝の光にキラキラと輝くアラワイ運河を眺めながら走り、橋を渡って北へ。まだ本格的に動き出す前の朝の街を楽しむ。ワイキキから離れると、点在する店舗も地元民向けのものとなり、自然豊かな穏やかな街へと雰囲気も変わってくる。ヒルクライムの上り口に到着。いったん全員の到着を確認し、それぞれのペースで上り始めた。

アラワイ運河沿いを走り、タンタラスの丘へ向かう

時折雨がぱらついていたけれど、雨も上がったようだ。木々の間から、大きな虹が見える。ハワイは虹がよく見られることで知られ「レインボー州」と呼ばれているそうなのだが、実際に見ると、テンションが上がる。

少し平らになる眺めの良い場所があり、前の方で上っていた方々が待ってくれていた。記念撮影をして、最後のパートに出発する。

筆者はゆったり組とともに、会話を交わしながら、上って行った。美しく手入れされた草地や木々の間のいくつかのつづら折を越えるが、厳しい勾配は現れない。絶景を楽しむために多くの観光客が訪れるルートとあって、道はきれいに整えられているようだった。上っていくと、少し薄暗い並木道に突入する。ここを抜ければ、展望台はすぐそこだ。

景観も一気に広がり、ゴールが近い様子。最後の上りを越えると展望台が見えた。ほとんどの皆さんがもうすでにゴールしているようだ。バイクを置き、展望台に向かうと、この日も絶景が広がっていた。

快晴ではないけれど、雲が空に模様を作り、アート作品のよう。先ほどまで一面の雲が空を覆っていたのだが、やわらかい朝の光がワイキキの街に輝き、最高の景観が、クリアに見張らせた。立体的で、この日、この瞬間しかない眺めだ。希望者はバイクとともに記念撮影をし、この絶景を収めていた。

下りはそれぞれのペースで安全に。街を抜けて、ワイキキの目抜き通りを、隊列を組んで走り、ツアーデスクのあるマリオットホテルを目指した。ザ・ハワイと感じられるエリアを自転車で走り抜けるのは、なんとも言えない「特別感」があった。

ノースショアへ!

いったん解散した面々は急いで準備を済ませ、10時に再集合。オアフ島ノースショアへのアフターライドに出発するのだ。トラックに自転車を積み、バスに乗り込んだ。

今日のライドはハレイワをスタートゴールとし、ノースショアを走る。ハレイワとは、オアフ島北西部にあり、サーファーの聖地として知られ、かつて製糖業で栄えた時代の面影を残す街並みが人気の小さな町だ。ノースショアは世界的に有名なサーフィンのスポットがあったり、ウミガメが見られたり、センチュリーライドで走ったのとはまた違う海や風情を楽しめるエリアである。さらに今回はノースショアの北西の果てまで行ってみることになっていた。

自転車をトラックから降ろし、準備を済ませて、ライドスタート!
カメハメハハイウェイで、東へ向かう。この通り沿いには、オアフ島の北側のビーチパークが連なっており、甲羅干しするウミガメを観察できるラニアケアビーチなどの名所も。
混雑とまでは行かなくても、人や車が行き交って、活気のあるルートだ。悠然と流れるワイメア川を越える。

7マイル(約11km)の海岸線に、世界的に有名なサーフスポットが密集し「7マイルの奇跡」とも呼ばれ、世界のサーファーの憧れの場所であるサンセットビーチに到着。世界屈指のサーフスポットで、大きな大会の会場にもなっている。
この日の目的はお向かいの「テッズ・ベーカリー」だ。チョコレートとホイップクリームの「テッズ・パイ」で有名だが、デリも人気で、いつも地元の方々でにぎわっている。皆で悩み抜いて、それぞれのスイーツをオーダー。安くはないが、ボリュームを考えれば妥当か。味はどのケーキもおいしくて、一同大満足。ここで折り返し、いったんハレイワ に戻る。

美しい海岸線が連なるノースショアを走る

ハレイワの入り口には、名物の看板が立っており、東にはガール、西にはボーイがサーフィンしている姿がモチーフになっている。この日は、両方の看板の制覇を目指すことになった。東側からアクセスし、まずは定番の「ガール」と出合う。さらに西へ走ることしばし。ドキドキしながら、反対車線に目を凝らしていると「ボーイ」の看板が見えてきた!

興奮気味に道を横断し、近くまで行ってみる。こちらの方が新しいようで、色味も鮮やかだし、立体的に見える。皆で速やかに記念撮影をし、ハレイワの街の中に入った。

有名なハレイワ の看板。ついに「ボーイ」バージョンにやってきた

ここでランチタイム。ハレイワ内にキッチンカーが並ぶ場所があり、それぞれの好みでメニューを選び、自由に食事することになった。ガーリックシュリンプの有名店「ジョバンニ」も入っている。ノースショアのカフクという町がエビの養殖で知られており、その新鮮なエビを使ったガーリックシュリンプを提供する名店がいくつかあるが、「ジョバンニ」はその筆頭だ。

プリプリで大ぶりのカフクのえびを使った「ジョバンニ」のガーリックシュリ ンプ。まさに本場の味だ

ガーリックシュリンプ一筋というだけあって、エビもたっぷり乗っており、味付けもバッチリ。ガーリックがたっぷりあしらわれてはいるが、いやな臭みはなく、添えられた米飯にも風味が染みており、ペロリといただけてしまう。
筆者はこの間に少し遠征し、どうしても行きたかったスポットにひとり足を伸ばした。距離は片道3キロもない。

気持ちのよい並木を抜けて、小学校を越えると、海沿いに「カイアカ・ベイ・ビーチ・パーク」が広がっている。目指すのはこの中にあるパワースポットだ。
まるで語りかけてきそうな大きな木が立つ、美しい芝の公園の中に、大きな岩の塊が見えた「ポハクラナイ」だ。奇跡のようなバランスで組み合わさった2つの大きな岩は、「バランスロック」とも呼ばれているという。

パワースポット「ポハクラナイ」へ。すぐそばに広がるにぎやかなハレイ ワの街とは別世界で、静かな力がみなぎる不思議な場所だった

この岩はハワイ先住民の故郷であるタヒチから流れ着き、古代ハワイでは神に祈りをささげた神聖な場所であると言い伝えられており、この二つの岩の間に手を入れ、願うと、その願いは叶えられると信じられている。日本では、大谷翔平が渡米前の日ハム時代に訪れたことで知られている。

先ほどまでのハレイワの喧騒がうそのように、誰もおらず、自然の音しかしない草原で、筆者も岩と岩の間に手を差し込んでみた。重なる岩は、オーラのようなパワーを発しているようで、これまで経験したことのない、不思議な感覚に包まれた。言葉にならない感動を胸に、ビーチパークを後にする。来た道を戻るが、道中、ずっと心がざわざわしていた。まるで、違う世界へと、足を踏み入れてきたようだった。

ランチタイムを終えたメンバーと合流して、西へ。ここからノースショアの北西端を目指す。ファーリントンハイウェイを西に、道が果てるまで進もう。公道の終点には、アザラシも生息しているようで、どんな空間が広がっているのか、とても楽しみだ。
トロピカルな植生の間を行く。草原が広がっていたり、ハワイらしい住居が点在していたりと景観は移り変わっていく。少し風があるが、グループを作って淡々と進む。

いざ、西へ。自然と調和した暮らしぶりを感じられるような住宅の間の道 を抜けていく

家々は、大きめの平家が多く、自然と調和し、手入れされている様子。この海が近い地域で、自然とともに暮らしているのだろうと思う。
クルマのすれ違いもギリギリな細い道が敷かれた住宅街に入ると、一気に空気が変わった。植え込みをすり抜けるように走ると、地域のひとたちの生活がすぐそこに垣間見えた。
住民の方にストレスをかけないよう、少し緊張して、慎重に進む。これまで知らなかったハワイ。大きな発見だ。探検はなおも進む。

果てまで伸びるファーリントン・ハイウェイへ。空が広く見える平野の中に走る道で、風が少々強い。「最果ての地」ということで勝手に荒野をイメージしていたが、YMCAのキャンプ施設があったり、グライダーの空港があったりと人が訪れる施設も構えられていた。
なおも走ると、いよいよ人工物のないエリアに差し掛かる。片側は山で、背の高い草が茂り、辺りには海の音だけが響いている。

ついにオアフ島の北西の果てに到着。白みを帯びた岩山や打ち付ける波。 これまでのオアフ島のイメージとは大きく異なる空間にたどり着いた。冒険、達成だ

「行き止まり」のサインが見えてきた。ついに北西端に到着!海は、砂浜のビーチではなく、ゴツゴツとした岩場が広がり、風を受けて、強い波が打ち付け、荒々しい雰囲気。アザラシには出合えなかったけれど、これまでと違うハワイの一面を見られて、新鮮だった。
帰路は通りやすい道を選び、一気に走る作戦となり、隊列を組んでハレイワの街を目指したのだった。

ハレイワへ戻ろう。白みがかった景観が広がる道を行く

ハレイワでバイクをトラックに乗せ、自由時間。おなじみの「マツモトシェイブアイス」へ。日系の松本氏が始めたかき氷店で、日本のメディアにもよく登場する人気店。店のルーツは日本のかき氷にあるそうだ。

豊富なシロップリストの中から3種類を選び、サイズを決め、アイスや練乳などのトッピングを決めて、オーダーすると、オープンキッチンでまるでショーのようにシェイブアイスを仕上げてくれる。オリジナルのシロップは色味もキレイなのだが、味にもこだわっており、ハレイワに来たら絶対に食べたい一品である。一同は悩みに悩んで、それぞれのシェイブアイスをオーダーしたのだった。

最後は定番の「マツモトシェイブアイス」へ。丸く仕上げられ、カラフル なシロップに彩られたシェイブアイスが美しい

残りの自由時間はそれぞれの気の向くままに過ごし、再度バスに集合。ツアーデスクに戻ると、ツアーの行程は全て終了となる。楽しかった時間が終わってしまうのも、すっかり仲良くなったメンバーと離れるのも淋しい。濃厚な日々だった!

「一生モノ」の思い出になるライドを走り、ハワイでどっぷり自転車三昧の滞在を楽しむ5日間。海外ツアーとしては非常に稀らしく、リピーター率がとても高いらしいのだが、それも納得。自転車は、たとえ同じコースを走っても、毎回違う経験になるのが面白い。また来年も、ここにやって来なくては。

画像提供:東武トップツアーズ ホノルルセンチュリーライドツアー、編集部

閉じる

新着ニュース一覧