JCX第6戦 WNP GHISALLO CUP

2024/12/23(月) 17:30

砂が特徴となるコースで開催された「WNP GHISALLO CUP 」

愛知県稲沢市にある「国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ」で 11月24日、国内のシクロクロスの最高峰シリーズ戦JCXシリーズの第6戦「東海シクロクロス第2戦 WNP GHISALLO CUP」が開催された。このレースもJCF(日本自転車競技連盟)シクロクロスシリーズの第6戦を兼ねている。

この会場は、2023年に全日本選手権が開催された土地。国内有数の砂丘が舞台となった「砂」が特徴的なコースだ。この公園は木曽川独特の河岸砂丘「祖父江砂丘」を生かして建設されており、コースには、その環境を生かした起伏のある砂セクションが設定されている。勝つためには、難セクションを越えるテクニックと、悪路を走破するパワーが求められる。さらにこの日は伊吹山からの「伊吹おろし」が吹き付け、非常に厳しい環境下でのレースとなった。

女子エリートには、前戦を独走で制した小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)や日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)らが最前列に並ぶ。

スタートし、第1コーナーをトップで越えたのは、小林。そのままリードし、抜け出 すと、この日も先頭での独走態勢に入った。

小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が難セクションも乗りこなし、早々に先頭に立つ

日吉、鵜飼 知春 (and more)や、前週の琵琶湖でも善戦したジュニアカテゴリーの石川七海 (Champion System Japan TT 轍屋) らが、小林を追う。

先頭を独走する小林
日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)が先頭の小林を追う

石川は、一時は2位の位置まで上げたが、混走で開催されるジュニアレースの選手と して出走したため、途中でフィニッシュを迎え、レースを終えた。2位に日吉、3位に鵜飼の位置で、先頭を走る小林を追った。
小林は落ち着いてペースを守り、独走を続ける。日吉がペースアップを図り、タイム差を縮めにかかったが、小林を捕らえるところまで追い詰めることはできなかった。
小林はこのレースでも独走でフィニッシュ。今シーズン5勝目を上げた。2位には日吉、3位に鵜飼が入っている。一時2位を走った石川は、ジュニアのカテゴリーで優勝している。

優勝した小林、2位の日吉、3位の鵜飼知春 (and more)

男子エリートには79名の選手がエントリー。注目は琵琶湖を独走で制した現行の日本チャンピオン織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、MTBの日本チャンピオン沢田時(宇都宮ブリッツェン)、MTBのU23の全日本選手権を3連覇、アジア選手権も制した副島達海(大阪産業大学)、テクニックに定評のある柚木伸元(日本大学)ら最前列に並ぶメンバー。

スタートの号砲が鳴ると、爆発的なスピードで一斉に飛び出して行った。最初にコーナーを回ったのは、今季絶好調で3戦を制しているものの、前戦を落とした副島。このレースへの意気込みをにじませる。沢田、柚木、織田らトップ選手がこの後に続く。

勝利への執念を見せ、先頭に立つ副島達海(大阪産業大学)

副島は先頭に立ち、独走態勢に入ろうとするが、ここに織田が追いつき2名で先頭集団を作った。

先行する副島に織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が迫る

沢田と柚木、オランダから参戦するゴセ・ファンデルメールが協調し、先頭2名を追う。
先頭2名はテクニカルなコースであることを忘れさせるようなハイペースでデッドヒートを展開しながら、先頭を行き、後続との差は開いて行った。
沢田と柚木は、抜きつ抜かれつ、3位のポジションを争いながら前方2名を追っていたが、沢田が抜け出し、単独3位の位置に上がり、さらにペースアップを図り、前を追い始めた。
だが、先頭2名のペースは衰えず、後続を寄せ付けぬまま最終周回へ。
織田がわずかに先行するシーンが多いものの、後ろにはぴったりと副島が付き、テールトゥーノーズ状態で、最終局面へ。

先行する織田、後ろにぴったりと付く副島

最終コーナーを回る際に2人の間に接触があり、織田はスプリント態勢に入れず、副島が先にコーナーを抜け、そのまま先行してフィニッシュラインを越え、JCXシリーズの4勝目を上げた。2位に織田、3位には追い上げた沢田が入った。

先頭でフィニッシュ、今季4勝目を上げた副島

副島は、優勝はしたものの、少し複雑な表情で、表彰台に立った。「終始織田選手の後ろについて走り、最後も気持ちのいい形では終われなかった」ため、「もっとガツガツ戦って、勝つか負けるかした方が気持ち良かったので、悔しさも残る」と心の内を語った。「来週のレースも一緒に戦えたらと思います」と最後はポジティブにインタビューを締めくくった。

優勝した副島、2位の織田、3位になった沢田時(宇都宮ブリッツェン)。最後は全員で笑顔を見せた

宇都宮で開催される全日本選手権までに残っているJCX戦は翌週の「松伏シクロクロス」のみ。ここから2週間、今季ここまで調子が上がらない選手たちが、限られた時間の中で、どう調整し、好調を見せる選手たちに挑むのか--。

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【結果】
JCX第6戦 東海シクロクロス第2戦 WNP GHISALLO CUP
エリート女子
1位/小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)49:31.2
2位/日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)+4:15
3位/鵜飼知春(and more)+6:35
4位/安藤沙弥(SHIDO-WORKS)+7:58
5位/加納尚子(Club La . sista Offroad team)-1Lap

エリート男子
1位/副島達海(大阪産業大学)55:16.3
2位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)+0:12
3位/沢田時(宇都宮ブリッツェン)+1:37
4位/柚木伸元(日本大学)+2:02
5位/竹之内悠(/slash Cinelli-Vision)+2:22

画像:Satoshi ODA
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【JCXシリーズ・レポート】
第3戦 御殿場シクロクロス
第4戦 幕張クロス
第5戦琵琶湖グランプリ

(P-NAVI編集部)

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