JCX第5戦 関西シクロクロス琵琶湖グランプリ2024

2024/12/18(水) 09:00

「関西シクロクロス琵琶湖グランプリ」が滋賀県草津市で開催

国内シクロクロスのトップリーグであるJCXシリーズの第5戦として、「関西シクロクロス琵琶湖グランプリ」が滋賀県草津市で行われた。この大会はJCF(日本自転車競技連盟)シクロクロスシリーズとしても第5戦となる位置づけだ。
今年は、この大会が唯一の国内で開催されるUCI(世界自転車競技連合)認定の国際レースとなり、全日本選手権、世界選手権などでスタートグリッドの順番に大きく影響するUCIポイントがもらえる貴重な機会となる。

冬の競技であるシクロクロスシーズンもいよいよ本番。全国から強豪選手たちが集結、国内のトップシクロクロッサーが出揃っての非常に重要な一戦となった。毎年、このコースでシクロクロスレースが開催されており、昨年もUCIレースに認定されていた。琵琶湖付近でのシクロクロスレースの開催は少なくないため、地域にも馴染んでおり、毎年多くの観客を迎え、華やかに開催されている。
会場となるのは、滋賀県草津市、琵琶湖畔烏丸半島の特設コース。この烏丸半島のほぼ平坦な芝生エリアに設営され、土地の緩やかな起伏を活かし設定されたキャンバー(斜面)が名物。全長2.7kmのコースの中には、他にも登り返しや、芝、泥、シケイン(障害物)などが設定されており、テクニックとパワーが求められるコースである。

女子エリートには、今季の全日本チャンピオンであり、好調を見せている小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)と、全日本優勝経験のある渡部春雅(明治大学)、第3戦の御殿場を制した石田唯(TRKWorks)らが並んだ。
スタート直後から小林が快調に飛ばし、1周目から独走で先行した。

スタート直後から先頭を行く小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)

小林の後を追ったのは、まだジュニアカテゴリーではあるが、エリートのレースに参戦した石川七海(Champion System Japan TT 轍屋)。少し後から石田が追う。開幕戦から、第2戦、第4戦を制した小林は好調を維持しており、ミスなく先行。2位以下との差は縮まることなく、むしろジワジワと開いていった。

小林は早々に独走態勢に入る

石田が追い上げ、石川をかわし2位に浮上したが、小林に迫ることはできなかった。 小林は余裕のある走りで、悠々と先行し、最終周回へ。ゆったりとガッツポーズをすると、4勝目を決めたのだった。

今季4勝目をあげた小林

2位には石田、3位には石川が入っている。

優勝した小林、2位の石田唯(TRKWorks)、3位の石川七海(Champion System Japan TT 轍屋)

小林は「このテクニカルとパワーのバランスの取れた楽しいコースで優勝することができて、とても嬉しい」と顔をほころばせた。「来月の全日本も優勝できるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします!」と明るい笑顔で抱負を語っていた。

続いて行われた男子エリート。12月中旬に控えた全日本選手権前の最大のビッグレースであり、今年の大会を占う重要な機会になる。

昨年は無敵の走りを見せていた全日本チャンピオン織田聖(弱虫ペダルサイクリ ングチーム)、MTBチャンピオンであり、今季はロードでも活躍した沢田時(宇都 宮ブリッツェン)、今季絶好調の副島達海(大阪産業大学)、さらには、キナン レーシングチームで走ったロードシーズンを終え、クロスへの参戦を始めた柚木伸元選手(日本大学)と、役者は揃った。
定刻通り号砲が鳴り、70名の選手が一斉にスタートダッシュをかけた。ホールショットは沢田が獲得し、先頭でコースに飛び出して行く。

好スタートを切った沢田時(宇都宮ブリッツェン)を先頭にコースに飛び出していく

2周目に入ると沢田と織田、副島、柚木、さらには国内レースのへの参戦を続けているオランダのゴセ・ファンデルメール(Atari Maeda Racing with Bombtrack and Hunt)が先頭集団を作った。
ここから、全日本チャンピオンジャージを着た織田が抜け出し、先行を始めた。織田は少しウェットコンディションだった昨年の琵琶湖グランプリも独走で制している。
今年もその走りは健在で、テクニックを求められるキャンバーや、急な登り、シケインなども軽快に駆け抜けていく。

後続を寄せ付けない走りで先行する織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)

開幕戦、第3戦、4戦を制し、今季絶好調の副島が織田に迫ろうと単独で2位まで追い上げたが、先頭の織田が刻むハイペースには、歯が立たなかった。

追い上げる副島達海(大阪産業大学)。だが織田との差を縮めることはできなかった

織田は単独で先頭を走り続け、今年も誰一人寄せ付けない一人旅のまま、余裕の表情でフィニッシュラインを越え、琵琶湖グランプリ連覇を達成した。

高々と片手を突き上げ、独走優勝を決めた織田

2位の副島との差は51秒。圧倒的な走りだった。3位にはファンデルメールが入った。織田はこの大会の優勝者に贈られる琵琶湖トロフィーも4つ目の獲得だと言う。「アタックしてみたところ、行けそうだったので、きついなと思いながらも」序盤から独走態勢に入り、最後まで駆け抜けた。「初戦を落としている緊張感もあり、いいレースができた」と振り返っていた。

優勝した織田、2位の副島、3位のゴセ・ファンデルメール(Atari Maeda Racing with Bombtrack and Hunt)

全日本のタイトルを狙う選手の間では、ここから本気の調整が続くことになる。

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【結果】
JCX第5戦 琵琶湖グランプリ
エリート女子
1位/小林 あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)49:12.9
2位/石田唯(TRKWorks)+01:32
3位/石川七海(Champion System Japan TT 轍屋)+02:19
4位/渡部春雅(明治大学)+03:31
5位/日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)+03:44

エリート男子
1位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)1:02:00.2
2位/副島達海(大阪産業大学)+00:51
3位/ゴセ・ファンデルメール(Atari Maeda Racing with Bombtrack and Hunt)+01:21
4位/沢田時(宇都宮ブリッツェン)+01:33
5位/柚木伸元(日本大学)+02:17

画像: Satoshi ODA

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【JCXシリーズ・レポート】
第3戦 御殿場シクロクロス
第4戦 関西シクロクロス琵琶湖グランプリ

(P-NAVI編集部)

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