JCX第4戦 幕張クロス2024

2024/12/12(木) 16:00

アクセスのよい幕張海浜公園で開催された「幕張クロス」。周辺には幕張のビルが立ち並ぶ

千葉県千葉市の県立幕張海浜公園で、JCXシリーズ第4戦に位置づけられる「幕張クロス」が11月10日、開催された。この日も暖かな晴天に恵まれ、アクセスのよい立地条件も相まって、多くの参加者が参加したと同時に、多くの観客も集まった。

幕張クロスのコースは、幕張海浜公園の常設のMTBコースに芝生エリアを組み合わせて設計したもの。「忍者返し」と呼ばれる急勾配の上りや森林のパンプトラック、芝、ダート、シケインなど多種多様な障害物が登場した。また、テクニカルなパートも多いものの、スピードアップできる草地エリアが広く、スピード勝負にもなりやすいコース。勝つためには、ハイスピードで駆け抜けられるパワーが重要となる。

女子には、昨シーズンの全日本を制し、MTBのクロスカントリーXCOでも全日本チャンピオンであり、ロードでも活躍する小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、前全日本チャンピオンであり、昨シーズンの幕張クロスを制した渡部春雅(明治大学)やJCX3戦を制した好調の石田唯(TRKWorks)らが参戦。

女子WE1カテゴリーが一斉にスタート

小林が好スタートを切り、ホールショットを獲得し、先頭に飛び出した。石田と前レースで表彰台を確保した日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)、渡部、大蔵こころ(早稲田大学)が先頭の小林を追う。石田はちょっとしたミスから遅れ、先頭争いからは大きな差がついてしまった。
そんな中、前年度優勝し、このコースに適性を持つ渡部が追い上げる。小林に追いつき、2名で先頭のグループを作る。2名そのままテクニカルなパートをこなして行ったが、現XCO王者である小林が、そのスキルとパワーで渡部を引き離し、単独で先頭に立った。

単独で先頭を走る小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)

小林は終盤に向け、さらにペースアップ。先頭を独走しながら、ハイペースで周回をこなす。独走態勢に入っていく。渡部は2位の位置を守り、先頭の小林を追っていたが、今季好調の石田が先頭を追い上げ、ついに渡部を捕らえた。
王者の走りを見せた小林が、他を寄せ付けぬまま、1分半の差をつけて笑顔でガッツポーズしながら単独でフィニッシュ。2位争いは、怒とうの追い上げを見せた石田が入り、3位は渡部が守った。

独走で優勝を決めた小林

小林は今シーズン参戦した3戦すべてで独走優勝を遂げている。ゴール後には喜びを語るとともに、翌週に控えたUCI(世界自転車競技連合)レースへの、モチベーションを語っていた。

優勝した小林、2位まで追い上げた石田唯(TRKWorks)、3位の渡部春雅(明治大学)

男子には87名が参戦。前戦でも優勝し、今季絶好調の副島達海(大阪産業大学)、小坂光(Utsunomiya Lux)らが最前列に並んだ。また元日本王者の沢田時(宇都宮ブリッツェン)は後列からスタートすることになった。オランダからはファンデルメール・ゴセ(オランダ、Bombtrack Bicycles p/b Hunt Wheels)が出場、2年連続の出場となった。幕張クロスと言えば、現在全日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が5連覇を遂げているが、この日、ロードで所属するチームで沖縄に遠征しており、不在となった。

選手が一斉にスタート。小坂が順調な滑り出しでホールショットを獲得。後ろには副島が続いた。

幕張の特設コースに飛び出して行く

副島はそのまま先頭に出て、沢田、高橋翔(日本体育大学)と先頭集団を作った。

副島達海(大阪産業大学)、沢田時(宇都宮ブリッツェン)、高橋翔(日本体育大学)が先頭集団を作る

このまま3名は先頭を走り、周回をこなして行くが、調子の良さをキープする副島が2名を試すように軽く仕掛け、高橋と沢田が追う展開が繰り返される。

シケイン(障害物)をバニーホップで跳び越える副島

6周目に沢田がパンクし、ピットエリアでのバイク交換が必要となり、このロスで沢田は先頭から大きく遅れてしまう。

苦戦した沢田。この日は終始ツキがなかった

そして7周目には副島がキレのあるアタックで高橋を振り切り、単独で先頭に飛び出した。ここまで積極的に走ってきた副島は、独走に入ってからもハイペースをキープ。先頭で独走態勢に入った。
副島は独走のまま終盤を駆け抜け、2位以下に差を開いたままフィニッシュに飛び込み、JCXシリーズでの連勝を飾った。

レースを主導し、そのまま優勝を決めた副島

2位には高橋が入り、この日は運がなかった沢田が3位。
副島は今シーズン5勝目。ここまでの手応えと喜びを語るとともに、次戦への意気込みを語っていた。
次戦は琵琶湖で開催される関西シクロクロスが主催する「琵琶湖グランプリ」。今シーズン唯一のUCIレースとなり、ロードシーズンを終え、フルメンバーが参戦を開始する。

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【結果】
JCX第4戦 幕張クロス
女子
1位/小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)45:23.210
2位/石田唯(TRKWorks)+01:31
3位/渡部春雅(明治大学)+02:00
4位/日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)+02:57
5位/大蔵こころ(早稲田大学)+02:57

男子
1位/副島達海(大阪産業大学)58:32.480
2位/高橋翔(日本体育大学 )+00:11
3位/沢田時(宇都宮ブリッツェン)+01:04
4位/鈴木来人(OnebyESU-ICV)+01:10
5位/宇賀隆貴(SHIDO-WORKS )+01:16
 
画像:Satoshi ODA

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【JCXシリーズ・レポート】
第3戦 御殿場シクロクロス

(P-NAVI編集部)

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