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【松浦悠士の近況報告】練習漬けの日々…! とにかく早くレースを走りたい! 2025年はGIタイトル獲得が目標

2025/01/29 (水) 18:00

復活に向けてリスタートを切っていく2025年(撮影:北山宏一)

 netkeirinをご覧のみなさん、新年明けましておめでとうございます。松浦悠士です。1月は斡旋停止中なので今回は近況報告や今年の目標をテーマに書いていこうと思います。

“あの場”にいられない悔しさ、お客さんと会ってもらえる力

 2024年12月末、トークショーを何本かやらせてもらえました。普段行かないところでも「レースを見て応援してくれているんだな」と感じましたし、実際に姿を現すことで、僕個人を応援してもらえるようになった気もしています。トークショーには「レースは見ているけど、実際に会ったことがない」という方も当然いらっしゃいます。そういう方たちと実際に会って話す機会があるのはとても良いことだなと思いますし、自分自身の頑張れる理由になるというか、トークショーには特別な力をもらうことができます。

 今回のトークショーには徳島からずっと付いてきてくださる方もいました。今は“自粛”していますが、2月からトークショーも再開します。次回は2月1日に愛媛県「サテライトこまつ」、2月2日に「高松競輪場」でトークショーを予定しています。ぜひお越しくださいね。

昨年競輪祭では会場の雰囲気が追い風になったと語った ファンの存在は力になる(撮影:北山宏一)

 そして12月30日のKEIRINグランプリですが、僕はトークショーに行っていたので、移動中に見ました。久しぶりに外から見ることになったグランプリですが、あの場にいられない悔しさが込み上げてきました。今年こそは“あの舞台”に戻れるように頑張りたいです。ちなみに、僕はグランプリに限らず、他の人のレースは結構見ていますね。記念とFI決勝を中心に見ることが多いです。毎日ではありませんが、3日間見ないってことはないくらいの頻度でしょうか。それにしてもレースを見ていると、早く走りたくてウズウズしてしまいます。

練習漬けの日々!状態は上げられている

 話は変わって最近のことを書いていきます。今は広島競輪場の道場で室内練習することが多く、ワットバイクやパワーマックスで追い込んでいます。体調もずっといい感じで、崩すこともなく順調に練習ができています。

 でも追い込んだ練習をしているとまだ結構体に痛みが出てきてしまうので、その辺には気を付けています。普通に生活する分には問題ないんですが、疲れてくると痛みが出るんですよね。右の脚なんですが、オールスターで打ってしまって内出血がひどかったところにダメージが残っていて、ここが疲労してくるとかなり支障が出ています。

 とはいえレースがないから練習時に強度を気にしなくていいのはやりやすいポイントです。レース前になると練習の強度を落とさざるを得ないので無理はできないのですが、今の時期はレースがない分、少々無理をしても大丈夫です。普段から新しいことへの意識を持ちながらやっていこうと考えているので、突然特別なことをやろうともしていませんが、昔やっていた練習メニューを少しアレンジするなど、工夫して過ごしています。

ケガを除けば「欠場とは無縁」、これまでレースが続く中では練習の強度に調整の必要が生じていた(撮影:北山宏一)

 また今月は母校の自転車部の高校生たちと一緒に高知競輪場にお邪魔しました。顧問の先生が2学年上の先輩で、「高知に合宿に行く」と聞いて付いて行きました。最近は夜にウエイトをやっているんですが、その先輩や、もうちょっと上の先輩も一緒にやり、1泊2日の練習に打ち込んできました。

 僕個人は選手会を通して入らせてもらって、田尾駿介君や今村麟太郞君とも一緒に練習させてもらいました。それにしても高校生の体力はすごいです(笑)。素直に羨ましかったですね。練習の話ではありませんが、高知に桜焼肉の美味しいお店があって、これが絶品でした。全プロの時に行ったんですけど、リピートしました(笑)。

 とりあえず今は練習漬けの日々ですから、なにしろ早くレースで走りたいです。どれだけ練習をやっても、レースを走らないから成果が分からない。練習で数値が上がったとしても、本番を走らないことには不確定要素に過ぎないんです。“これでいいのかな”の状態というか「答え合わせができない」みたいな感覚になっています。その辺は不安でもあります。

今年はGIタイトルを獲りたい!

昨年から続く逆境を乗り超えて、今年はGIタイトルに意欲(撮影:北山宏一)

 まずは今期初出走となる静岡記念でしっかり戦えることを確認して、今年最初のGI全日本選抜に向かいたいと考えています。せっかく1月に長いスパンで練習できる期間があるので、しっかり今やりたいことをやって、体調を崩さず練習を積みたいです。全日本選抜に向けてもですけど、今年1年間をしっかり戦うために、今できることをしっかりやっておきます。現段階の自己評価ですが、かなり状態は上げられていると思います。

 そして今年の目標ですが、やっぱりタイトルですね。グランプリやGIIは勝てていますが、GIとなるとだいぶ遠ざかってしまった感があります。今年こそは獲りたい。ここ2年は大きなケガをしているので、ケガには気を付けて戦いたいです。勝負権を逃すくらいなら落車するとしても致し方なし! の部分はありますけど、自分が事故を起こさないって意識を一番に持って走って行こうと思います!

2025年2月、静岡で松浦悠士のレースが始まる!(撮影:北山宏一)

読者の方から寄せられた質問に答えます

 それでは今月も質問に答えていきたいと思います!

ーー友人と「松浦選手はカラオケをするかしないか」予想対決をしています。私は「歌う」と予想しています。カラオケを歌うか歌わないか教えてください。歌う場合、レパートリーや好きな歌手なども教えて欲しいです。

 カラオケ行くことはあまりないですかね。するか、しないかで言ったら「しない」です。なので、レパートリーもあんまりないですね。一番歌うのは歌いやすいのもあって、桐谷健太さんの「海の声」です。聴くのはRADWIMPS(ラッドウィンプス)が好きです。

ーーアップ中に聴いている音楽があれば教えてください。

 アップ中は音楽を聴いていないです。ローラーの音があるから、聴こうとすると結構音量も大きくなっちゃうんですよね。耳は当然として首とか頭とかが痛くなっちゃいます。

ーー競輪を観ていて思うのですが、若手先行選手の走りは地区によって特色がある感じがします。人それぞれあると思いますが、先行選手や追い込み選手の個性は地域によって偏ることはあるのでしょうか?

 結局は個人の考え方だと思いますけど、それでも地域性みたいなものはある気がしますね。「この地域にはこういう考え方の人が多いな」は感じることありますよ。たぶんその地域の先輩を見てきて、そういう選手になるってことだと思います。

 中四国は「昔の先輩を目指して似たタイプの選手になる」のではない選手がたくさん出て来ているように思います。犬伏君、海也なんか特にそうです。脚力がすごくあって、同じような戦法では目標になる選手がいないというか。太田竜馬君とかもそう。ある意味、これはとても良いことだと思います。これからの選手であれば、そういう選手たちを目標にして欲しいです。

 僕は「自分が目標にされる選手になる!」と思って頑張っていたけど、彼らがすごすぎて(苦笑)。町田君や石原君にも期待していますし、今先行で頑張っている選手の前を回るような選手にも出てきて欲しいですね。

犬伏湧也(左)と太田海也とは今年も大舞台で連係していくだろう(写真提供:チャリロト)

ーー松浦選手はグランドスラムを目指しているので、達成することを楽しみにしています。獲ってないタイトルを獲ってグランプリを走ってください!ところで、今すでに獲っているタイトルで一番感慨深いというか印象に残っているGI優勝はどのGIでしょうか?

 いやー、これは難しい! 決められないです。どれも良かったです。競輪祭は裕友とワンツーが決まって初優勝できたし、ダービーは獲りたいと思って獲れて嬉しかったです。オールスターは絶体絶命の位置から脇本さんに勝つことができました。それぞれに違う喜び、違う感じ方があったので、どれが1番とは決められないですね。

 でもGIではないですが、もしかしたらグランプリが1番嬉しいかもしれないです。「KEIRINグランプリ」というのもあるし、獲るチャンスが少ない。各GIは年に1回しか獲るチャンスがありませんが、GIって大きく括れば何回かはチャンスがあります。でもグランプリは年に1回だけ。獲れた時は言いようのない嬉しさがありましたね。

KEIRINグランプリ制覇は格別の喜び、“再び”栄光に向かって(撮影:北山宏一)

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松浦悠士の“真っ向勝負!”

松浦悠士

Matuura Yuji

広島県広島市出身。日本競輪学校第98期卒。2010年7月熊本競輪場でレースデビュー。2019年の競輪祭でGI初優勝を飾り、翌2020年のオールスター競輪では脇本雄太との死闘を制し優勝、自身2つ目のGIタイトルを獲得した。その翌年2021年には日本選手権競輪を“有言実行”で優勝。3つ目のGIタイトルを獲得し、グランドスラムへの意識を高めた。2023年はGI優勝こそなかったが、賞金順位でKEIRINグランプリの出場権利を獲得。広島カラーを象徴する3番車で挑んだ大一番は最終直線で渾身の差し切り勝ちを決め、見事グランプリ王者となった。チャンピオンとして臨んだ2024年は度重なる怪我に苛まれてS班の座を明け渡すことになったが、グランドスラムを目指す気持ちには一点の曇りなし。中国地区の大エースとしてさらなる飛躍を目論む。

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