2019/11/08 (金) 19:49
先日、飯塚オートで開催されたSG日本選手権オートレース。
年末のSGスーパースター王座決定戦へ向けた戦いも大詰めとなる中、注目の優勝戦!
1枠から青山周平(伊勢崎31期)選手が逃げ切り、自身6度目のSG制覇を日本選手権連覇で飾り、幕を閉じました。
最内からトップスタートを決め、シッカリ逃げ切り。
1度もトップの座を譲ることなく、後続に対して、インコースをキッチリ抑えた走りを披露。
上がりタイムも3.357と、好時計をマークした青山選手。
年末の大一番へ向け、さらに期待が高まります。
そして、レース後半に追い上げてきた佐々木啓(山陽23期)選手が準優勝。
やや遅れ気味のスタートではありましたが、すぐに3番手を確保。
その後は永井大介選手(川口25期)をピッタリと、マークして、終盤にその永井選手を捌いて2番手へ。
青山選手に追いつくまでには至らずもSGスーパースター王座決定戦トライアル戦の出場権を見事に獲得!
今年優勝4回、近況のエンジン状態をキープしたいところ。
最後の最後に3着に食い込んだ鈴木圭一郎選手(浜松32期)は序盤からなかなか車の進みがなく苦しい展開でした。
終盤まで前を追うだけという本人にとっても不本意な走りに。
この悔しさを年末にぶつけてもらいたいものです。
ちなみに私は優勝戦の車券を見事ゲット!
購入はもちろんチャリ・ロトさんのサイトから。
今回のSGではキャッシュバックキャンペーンなども行われておりました。
購入画面も非常に分かりやすく買いやすいので、みなさんも是非、チャリ・ロトさんでのご購入を!
(さり気なくゴマすりです)
そして、いよいよ!
スーパースター王座決定戦トライアル戦に出場する16選手が決定しました!
さらにはスーパースターガールズ王座決定戦に出場する8選手も決定!
各選手がこの大一番に向け、どのように仕上げてくるのか注目です。
さて、不定期掲載となっている私の『公営競技実況アナウンサーへの道』ですけれども。
(前回までのあらすじはこちら)
前回は……研修の身ではありますが。
多摩川でボートレース実況デビューを果たし、その後は江戸川でのデビューに向け、日々本番と練習の繰り返し。
そこまでお伝えしました。
江戸川デビューが近づくにつれ、周囲からこんな声を聞くようになりました。
「あそこの水面は特殊だからね」
「江戸川だけは違う競技のように感じる」
「(江戸川は)色々な意味で疲れる」
確かに、そうなのです。
江戸川ボートは本物の川でレースを行います。
全国で唯一、河川を使用したレース場。
この時点で他のレース場とは明らかに違います。
河川ということは潮の流れがあり、そこに風が吹けば“うねり”も発生。
流れがあるため、スタートのタイミングを掴むのも一苦労なのです。
某動画サイトで当時、人気を集めていた『ウィークリーフライングハイライト』でも江戸川は常に上位にランキング。
もちろん、年間のフライング本数は全24場でナンバーワン!(苦笑)
有名な某ボートレース漫画でも主人公が江戸川で苦労する様子が描かれています。
「そうは言っても同じ競技だし、実況する側には問題ないだろう」
そんなに心配することもなく、6月の再開を待っていました。
時は経ち、3月には研修が終わり、新年度から正式に実況デビュー!
(*ここでようやくギャラが出るように)
そして、6月に満を持して江戸川へ。
よく勘違いされますが、“江戸川”ではなく“中川”という川でレースが行われています。
江戸川区にあるので江戸川ボートなのです。
まず驚いたこと、それは6階にある審判室までエレベーターがない!!
「今後、年間180日……毎回、この階段を昇り降りしないといけないのか。。。」
「って、なぜ休催中に工事をしてくれなかったのだろうか!???」
と、まだレースも始まっていないのに洗礼を受けた次第です(苦笑)。
実況席は水面に近く、高さもあるので見やすい。
これは実況がしやすいかも!なんて思ったのも束の間。
この後、僕は水面状況。
そして、天候や日程に悩まされることになります。
ボートレースは1周目1マークで先頭がある程度決まる競技。
あとは2番手、3番手争いを見ておけば、ほぼ大丈夫。
しかし、この江戸川は他の公営競技のように最後まで分からない展開が多々あります。
ゴール直前まで先頭争いというボートレースでは珍しい光景も、江戸川では他場より高確率で遭遇することができます。
最も驚いたのは、最終回の最後のターンマークで、2番手と10艇身以上の大きくリードをつけ、完全に安全圏に持ち込んでいた先頭選手が、大きく流れてしまい、後ろを走っていた選手が急に先頭に。
しかも先頭に浮上したその選手は、勝てばデビュー初勝利!
先頭に立ったことを実況している時にそれに気づいて
「1着○○ゴールイン!!彼は水神祭ですーーっ!!!!」
(*水神祭=初勝利など記念すべき勝利を挙げた時に行われる儀式で、選手たちによって水面に投げ込まれる行事)
と、ゴールイン時に慌ててつけ加えることに。
通常は最終周回に余裕を持って、その選手について喋り、初勝利を祝うコメントを入れるのですが。
この時はそんな余裕はありませんでした。
翌日、その初勝利を挙げた選手に話しを伺いにいきましたが、
「まさか勝てるとは思いませんでした」
「(初勝利は)あまり実感がない」
というコメント(苦笑)。
あまりの気の抜けなさに、ある日、他場の実況アナウンサーから
「江戸川って選手や審判もそうだけど、実況も疲れるでしょ?」
なんて労われることも。
確かに、多摩川とは1日の疲労度が違います。
ただ、常に「何かが起こる」と、思いながら実況することによって、大きな経験値を得ている実感を。
他のレース場で実況するよりも江戸川で実況する方が巧くなっている手応えを掴んでいました。
そして、その後、公営競技とは全く関係のない他の仕事をする時にも、その経験が活かされているように感じます。
その他にも春一番の強風で水面に大きな“うねり”が発生し、レースが中断。
さらにはレースの中止、日程の順延は日常茶飯事。
そのため、順延しても良いように……毎節、最終日の翌日と翌々日のスケジュールを常に空けておく必要がありました
こんな具合にレース以外の部分での苦労が多い場でしたが、審判室、番組室。
そして、管理の方々など、江戸川という土地柄か人間味があふれており、仕事にいくのが楽しい職場でありました。
しかし、慣れてきた頃、ある事件が発生!
『森泉、しゃっくり事件』
『森泉、ヘッドホン付け忘れ事件』
この2本は近日、公開予定!お楽しみに!
タイトルが若干、サザエさんっぽいですね(笑)。
【オートレース/今年度の記念レース日程】
・11/20~ G2小林啓二杯(山陽)
・12/4~ G1グランプリレース(川口)
・12/18~ G1スピード王決定戦(山陽)
・12/27~ SGスーパースター王座決定戦(川口)
・1/9~ G1シルクカップ(伊勢崎)
・2/7~ G1開設記念レース(飯塚)
・2/22~ G2若獅子杯争奪戦(山陽)
・3/4~ G2レジェンドカップ(伊勢崎)
・3/18~ 特別G1プレミアムカップ(飯塚)
森泉宏一(もりいずみ・こういち)
1984年5月8日生まれ
東京都出身 広島県・富山県育ち
父親の影響もあり、学生時代は野球に打ち込む
25歳の時、ボートレースで公営競技実況デビュー
2017年4月から伊勢崎オートでオートレース実況を始める
公営競技実況の他、プロアマの野球実況
さらにはイベントや展示会の司会
広告モデルや話し方教室講師などでも活動
野球好きの選手からの誘いもあり、
伊勢崎オートの野球チーム「キラッツ」に入部
しかし、デビュー戦において投手で二桁失点を喫する
その為に最近、オートレース界隈でその実力が疑われている
某選手からの「投げるスタミナがあるだけで助かっている」
という慰めの言葉が唯一の救い
森泉宏一
生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などの出演も多く、「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」出演時はMCも務める。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も絶賛更新中。