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【高松競輪】どん底まで落ちたオールラウンダー庄子信弘が与える影響力

2021/04/07(水) 15:30 0 3

高松競輪場で6日に開幕した「CTC杯&ガールズケイリン(FI)」。2日目11レースの準決勝に出走する庄子信弘に話しを聞いた。

アドバイスも親身になって応じる庄子信弘(左)

 もう5年前くらいの前の話だが、庄子信弘高松のFⅡ開催に参加していた時の話。
庄子は骨盤骨折の大怪我から復帰し、チャレンジで走っていた。抜群の安定感で確定板を外すことはまずない。先行・捲り・差しと使い分け正真正銘のオールラウンダー。しかし、西日本のチャレンジメンバーはあまり対戦したこともなく、準決勝で対戦することになった兵庫の泉谷直哉は「この選手ってどんな選手ですか? 」と聞いてきた。即答で「今、チャレンジで最強。タテもヨコも出来る最強の自在選手。」と答えた…。

 レースはもちろん庄子が圧勝し、泉谷は負けて悔しそうに引き上げてきた。そこで泉谷に「最強って言ったやろ。体感した? 」と聞くと泉谷は「本当でした。最強ですね。」と笑いながら横に座っていた庄子を見た。庄子は照れくさそうに「そんなことないですよ。たまたまです。」と謙遜していた。

 半年後くらいに泉谷が高松開催にきた。真っ先に駆け寄ってきて「あの高松開催で庄子選手と話すようになって、次の開催で一緒になりセッティングとか色々アドバイスくれるようになったんです。きっかけ作ってくれてありがとうございました」と。

 どん底まで落ちたが、今はGIに参戦するまで駆け上がっていった庄子にあのときの気持ちを聞いてみた。
「入院している時に今まで練習もあまりしてなかったし、このまま終わってしまうんじゃないかって思った。ほかの選手はケガをしてもそれまで練習しているから落ち幅が少ない。それで考えを改めてしっかり練習するようになった。ここまでこれたのは気持ちの問題。気持ちが一番大事だと思います。今の目標はGIでの1勝。一流選手が仕上げて挑んでくるGIは別格。GIIIやFIとは雰囲気も選手の圧も違う。そこでの1勝は価値がある。」

 どん底まで落ちて這い上がってきた選手だから言葉に重みがあるし、共感性もある。また庄子にアドバイスを求められれば嫌な顔せず親身になって応じる人柄。オールラウンダーだからこそ自力選手・マーク選手両方の気持ちが分かる彼が周りの選手に与える影響力は大きい。(アオケイ・梅田浩行記者)

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