2022/07/11(月) 20:15 0 13
10秒9のマッハ捲りでデビューからの連勝記録を『22』に伸ばしたが、浮かれる様子は一切なく、淡々とした表情でレースを振り返る。
「連勝を意識していたのはS級に上がるまでで、上がってからはそこまで意識していません。どんなに強い選手でも、いつか、どこかで負けるので。上がりタイム10秒9というのも自己ベストになりますが、これが良いのか悪いのかは何とも…。上を見ればもっと速く走る人はたくさんいるし、あの展開でこのタイムがどんなもんかもイマイチ分かりませんね」。
ナショナルチームに在籍してパリ五輪を目指すスーパーアスリートは、こちらが思っているほど『数字』へのこだわりはないようで、どこまで連勝を伸ばしたいか聞いてみてもはっきりとした答えは返ってこなかったが、同期の話や兄弟の話(弟も大学で自転車をやっている)になると笑顔で色々教えてくれたし、どこにでもいる普通の23歳という感じだった。
今回一緒に参加している師匠の佐藤友和にも中野のことを聞いてみると、「20代前半なら勝ってウェ〜イみたいなのがあってもいいと思うんですけど、アイツはそういうのが全くない。小さい頃からオリンピックを目指しているだけあって、とにかく意識が高いですね。受け答えや礼儀作法も他の同世代の子よりもしっかりしているし、選手になる前の大学2年のときに、すでにオリジナルのサインもありましたよ(笑)」。
中野のことを一通り語った最後に、「もし決勝で一緒になったら連勝記録を止めてやります!」と宣言したのはビックリだが、友和が言うと冗談ではなく本気に聞こえるから不思議。まずは2人ともしっかり準決勝を突破して、前場所の函館に続いての師弟連係を見てみたい。(netkeirin特派員)