「やっぱりこれが私のレースですよね(笑)」

　引き揚げてきた小坂知子の表情は充実感にあふれていた。

　小坂といえばS取りの早さを生かした、前受けからの飛びつきやマーク戦が主戦法だったが、近況はバック数が10、一番多い決まり手が逃げという“先行選手”のような数字になっていた。「ついつい動いてしまって(苦笑)」こうなったようだが、自力を出し始めてから成績は下降気味に。

　そこで今回は原点回帰をテーマに掲げて「前々勝負」に徹した。初日は初手から石井貴子を追走し3着、2日目は前受けから坂口楓華の後ろに飛びついて2着を確保と“らしい”走りで堂々の決勝進出を果たした。

「レース勘もだいぶ戻ってきた。決勝でも私の持ち味を出せるように前々にいきたい」

　動けるタイプがそろった一戦でこそ“小坂の2、3着”は狙いたくなるところ。決勝でも前々に踏み込んで確定板入りを目指す。(netkeirin特派員)