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【PIST6】自分ではなく“家族のため”に…藤井昭吾が胸に刻む必勝スタンス「先にオレが動く!」/ファーストクォーターファイナルラウンド優勝者インタビュー

2022/06/23(木) 18:00 0 1

2021年10月、千葉市「TIPSTAR DOME CHIBA」で開幕した「PIST6 Championship」。すでに数多くの名シーンや名勝負が生まれているが、PIST6で勝利した選手たちはどのような感想を抱いているのだろうか。今回netkeirin編集部では「PIST6 Championship2022-23」ファーストクォーターファイナルラウンドで優勝した藤井昭吾選手にインタビューを実施した。強さの背景には勝つために鍛え上げた”先行へのこだわり”と、家族を支えるための大黒柱としての意思があった。※インタビューはオンラインで実施(取材日:2022年6月10日)

©︎PIST6

■想定通りの“読み”で掴んだ優勝

ーー決勝レース後のインタビューでは「レース前に想定していた通りの展開だった」と話をされていましたが、朝倉智仁選手など他選手に先行された場合の展開も想定はされていたのでしょうか?

 後方の選手が自分より先に動く展開も想定はしていました。なので、先頭誘導員が外れる前に少し車間を切り、後ろの選手より先に動こうと考えていました。『オレが動くぞ』という意思表示をすることによって、自分の後ろの選手を牽制しつつ、前へ出ようと思っていました。

ーー2次予選、準決勝ともに長い距離を踏んでいましたが、決勝に向けて脚の疲労は心配されてなかったのでしょうか?

 特に意識はしていないです。決勝に意識を向けることで、目の前のレースに集中できず厳しい展開になってしまうよりは力を出し切ることを考えます。たとえ長い距離だとしても自分のペースで踏めばそこまで辛い訳ではないですしね。

Photo by Kenji Onose

ーー残り2周の直線で一気に先頭に出る形となりましたが、あの展開は踏み込むタイミングを含めてレース前の作戦通りでしたか?

 完全に想定通りでした。

ーーそのレース展開は後ろの選手を目で牽制したりと、藤井選手ご自身で作ったものだったのでしょうか?

 うーん。牽制したからといって、他選手が動かないという保証はないんやけど…。でも『自分がこう動いたら他選手はこう動くだろうな』という想定通りには行きましたね。

ーーでは、レース中は相手選手の心情などが良く見えていたという感覚でしょうか?

 そうですね。でもレース中に見えていたというわけではなく、レース前からずっと考えていたパターンになったというか。自分から勝負を仕掛けていこうという心持ちでレースに臨みました。

ーーレース後は笑顔とガッツポーズが飛び出しましたが、ゴールした直後はどんな気持ちでしたか?

 今回は優勝するつもりで臨んでいましたので、しっかり優勝できて本当に嬉しかったです。

ーー今開催出場選手の中で唯一優勝を経験しているというプレッシャーは感じましたか?

 そうですね。自分が一番人気で、オッズが1.0倍とかだと緊張しますね。

©︎PIST6

■PIST6がもたらす競輪への影響

ーー1次予選で少し仕掛けが遅れた部分を、その後レース3本すべてで修正され見事優勝されましたが、PIST6において『積極性』は重要視されていますか?

 それが1番大事だと思っています。積極的に前々で仕掛けていく姿勢がPIST6では勝敗に影響しますね。

ーー積極的に仕掛けていくとなると枠順が重要な気がするのですが、得意不得意な枠順があれば教えてください。

 枠順はめちゃくちゃ大事ですね。5枠、6枠は中々難しいなと感じます。でも、枠の得意不得意よりも、そこは対戦相手だと思いますね。枠順ってメンバー次第な部分もあるので。タイムを出している選手がどこにいるのか、他選手の得意戦法はどういうものか、などを考えて展開を複数予測してレースに備えています。

ーー藤井選手は基本的にzwiftで練習していると聞いています。

 そうですね。自宅練習が多いです。

ーーお子様はまだ小さいと思いますが、練習中に部屋へ入ってきたりはしないですか?

 そうならないように、練習中はガッチリ部屋を閉め切ってやってます(笑)。

ーー競輪とPIST6のレース前ではワークアウトプランは違いますか?

 いえ、全く一緒です。好きな練習コースも沢山あるのですが、僕はみんなとレースするのが一番好きですね。

ーー前回優勝された「ZEROラウンド3」でも残り2周回から先頭に出て逃げ切る形となりました。藤井選手の中で「勝ちパターン」みたいなものができあがっているように思いますが、いかがでしょうか?

 強い相手がいるレースでは負けていたりもするので何とも言えないですが『こういう風に持っていけたら上位に入着できるやろうな』というパターンはあります。

©︎PIST6

ーー競輪とはまた違ったPIST6ですが、藤井選手自身、競輪とPIST6での違いはどのように感じてますか?

 やはりラインの有無ですよね。自分のことだけを考えて走れば良いPIST6と、後ろについてくれた選手、前を走ってくれている選手のことを考えて走るのは全然違いますし“別物”ですね。

ーーレースをする上で競輪とPIST6ではどちらの方が精神的な負担が大きいですか?

 場合によりけりですけど、自分のことだけを考えて走ればいいPIST6の方が、ライン戦よりも気持ちは楽です。

ーーギヤ比をはじめ機材自体も異なりますが、PIST6を走ることで競輪に良い影響はありますか?

 PIST6では4.85とかの重たいギアを踏むので、競輪の3.92が軽く感じるんですよね。その影響なのか、今期は競輪の調子がすごく良くて、競走得点も一気に上がってます。

Photo by Kenji Onose

■海外選手の走り方を見て研究

ーーギア倍数ですが、タイムトライアルは4.50で、それ以外では4.85で走られています。これは藤井選手の中でベストな重さなのでしょうか?

 普段から250mバンクで練習できている訳ではないので、まだ手探りではあります。でも、やはり結果が出たギアに頼ってしまうところはありますね。

ーー今藤康裕選手と海外の強豪選手のハロンを見て駆け方を研究されたそうですね! その研究は今回のレースに活きていますか?

 いや、完全に2人ともタイムを落としてます(笑)。今藤さんとYouTube動画を見ながら勉強したんですが、やっぱり練習しないと無理ですね…。海外の選手の場合『スピードを上げるタイミングを早めて駆け切ってしまう』という走り方なんですが、実際にやってみるとめちゃくちゃ辛かったです。

■PIST6の優勝賞金の使い道

ーーPIST6の優勝賞金を子ども食堂やユニセフへ募金されていましたが、募金活動を始められたきっかけを教えてください。

 テレビで子ども食堂の特集を見たことがきっかけです。以前から募金活動をしたいという思いはあったのですが、どういった支援の仕方があるかを知らなかったので、中々行動に移せずにいました。そんな中で、テレビ番組で様々な支援の仕方を知ることができたので、募金活動を始めました。

 PIST6で優勝することができ、自分はとても恵まれていると思ったんです。だからこそ、自己満足かもしれないですが、少しでも人の役に立つことをしたいと考えています。

ーー募金以外での優勝賞金の使い道を教えてください。

 今回は子ども用に、英語の学習教材を買いました。残りは税金を払って終わりました(笑)

■学生時代に取り組んだサッカー

ーーご自身の持ち味、ストロングポイントを教えてください

 先行で勝てるところだと思います。(先行する上では)TIPSTAR DOME CHIBAも走りやすいですね!

©︎PIST6

ーー学生時代からサッカーに取り組まれていたとのことですが、競輪に活きているポイントは? また、現在サッカーはされていますか?

 競輪に活かされているのは基礎体力ですかね。以前はフットサルをしていたのですが、最近はしてないですね。というのも競輪選手になってから体重がかなり増えたので、(フットサルで)急に走ったり止まったりすることで足首を痛めたことがあるんです。その怪我で競輪を欠場してしまったので、サッカーもフットサルもそれ以来すっぱり辞めました。

ーー学生時代と現在で体格自体がかなり違うのですか?

 全然違います(笑)

ーー今でも海外リーグを中心にサッカー観戦されているとのことですが、好きなサッカーチームはありますか?

 はい。よく観ていますね。ずっと前からレアルマドリードが好きです。

Photo by Kenji Onose

■応援してくれる家族と自転車への向き合い方

ーー『子煩悩なパパ』そんな印象が強い藤井選手ですが、お子さんは藤井選手のレースをご覧になっていますか?

 いつも携帯から応援してくれています。

ーーお子さんが生まれた時とその前とで、自転車への向き合い方などで心境変化はありましたか?

 僕が練習をサボって成績が悪くなると家族を食べさせていけないので、自分のためだけではなく、家族のために走るという意識は芽生えましたね。決して独身時代も適当にやっていた訳ではないですが、普段の練習や身体のケアについて、以前よりしっかり考えるようになりました。

Photo by Kenji Onose

■休日は家族揃ってテーマパークへ

ーー優勝インタビューでは「ほんまにめっちゃ嬉しい!」とゴリゴリの関西弁を聞かせていただきましたが、関西ですと休日はどんなところに遊びに行きますか?

 家族で行くならユニバーサルスタジオジャパンですかね。年パスがあるので、家族で行ける時は行きます。あとは滋賀に住んでいるので琵琶湖の湖岸にある公園をオススメしたいですね。駐車場も無料やし、そこで友達とBBQしたりしています。

ーーキャンプの写真もSNSに投稿されてましたね!

 そうなんです! 今年はまだ行けていないので、タイミングを見て行きたいなと思っています。

ーーSNSの投稿を見るとご家族で結構な回数ディズニーランドに行かれてるようです。ご家族みんながディズニー好きなんですか? 藤井選手が?

 僕が率先してたら面白いんやろうけど、これは完全に嫁の影響ですね(笑)。嫁と娘が特に好きで、下の子はまだ小さいのでわかっていないとは思います。ただ、最近ではだんだん洗脳されつつあります(笑)

Photo by Kenji Onose

ーー家族想いで優しい印象の藤井選手ですが、ご自身の性格はどのような感じですか?

 『いい加減』ですね(笑)。楽観的に『なんとかなる』と考えるタイプです。

ーー好きな言葉はありますか?

 臥薪嘗胆(がしんしょうたん)や不撓不屈(ふとうふくつ)が好きですね。辛くても、我慢してコツコツ諦めずに努力すれば報われる、というような意味の言葉が好きです。

ーー最後に、藤井選手の活躍を楽しみにしているファンのみなさまに一言メッセージをお願いします!

 これからも優勝目指して頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします!

◆藤井昭吾選手のプロフィール(取材時)

生年月日:1986/5/4
班級  :S級2班
府県  :滋賀県
身長  :172cm

【SNSはコチラ】
藤井昭吾選手 Instagram


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 また、出走表の下部にはPIST6攻略法として「予想の基本」を掲載していますので「予想の仕方がわからない」といった初心者の方にも安心です。PIST6の開催日にはレース映像のライブ中継もありますので、ド迫力のスピードバトルを観戦しながら楽しくベッティングしてみてはいかがでしょう。「PIST6 Championship 2022-23」もいよいよセカンドクォーターに突入! すでに楽しんでいる人もこれからの人も目指せ的中!

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