青野は前走の松戸で初のGIII決勝進出を決め、勢いに乗っている。

「決勝は先頭で泳がされちゃって不完全燃焼でした。そこは反省です。それでも脇本さんをはじめ、トップレベルの選手と走る経験ができたのは大きかった。準決は二段駆けをさせてもらったけど、後輩(松坂侑亮)が前で一生懸命走ってくれたおかげ。普段は自分が引っ張る役割を果たしていたけど、番手回りの気持ちも分かったし、良い勉強になりました」と今後に向けて大きな収穫があったのが、その表情からも読み取れた。

　さらに、PIST6とラインのある競輪については「競輪はどうしてもラインがあるので、さっきの二段駆けじゃないけど、後ろの人に気を使い過ぎてしまって…。自分というよりラインに貢献する走りっていう気持ちが強くなり過ぎちゃいますね(苦笑)。その点、PIST6はラインがないので、すべて自分の走りが結果に跳ね返ってくる。その分、100%で自分のための走りができるので、ここでは1着をよく取れますね」と語るように、PIST6はこれまで22走して13勝と勝率は5割オーバーと高い数字を残している。

　しかも前走の4月に行われたファーストクォーターラウンド4では嬉しい初優勝も決めている。「ここでしっかり勝てるので、自分は勝ち癖を付けて次の競走を迎えることができています。そういう意味でもPIST6出場は良い影響を感じていますね」とニッコリ。

　青野の使用している自転車を見ると、ハンドルは普段の競輪で使用されている物に近いタイプ。PIST6参加者の中には「競技用自転車は課金ゲームみたいなもの」と言う声もあり、本体のフレームは言うに及ばず、その他のパーツも人によっては高額な物を取り揃えている。その中にあってこのハンドルで優勝まで経験しているのは畏れ入る。

　その理由を尋ねると「PIST6と競輪を別々に考えている訳じゃないし、相乗効果を期待しているので。競輪の感覚を忘れないっていうのが一番の理由です」とここでも、PIST6から競輪への流れを大事にしている。

　最後は「今回も体調も自転車の感じも悪くないので、しっかり結果を出せれば」と表情も引き締まる。狙うはもちろん前走Vに続く“連続Ｖ”だ！(アオケイ・渡辺記者)

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