2021/03/28(日) 19:01 0 2
僕らみたいに長く記者をやっていると、2世選手に引退した父親の近況を聞きたくなる。
栗本尚宗の父親の啓志さん(62期)は俗に言う「クレージーマーカー」だった。昭和の競輪と今の競輪は違うし、当時の最高の褒め言葉である。
「親父は僕の為に3年、弟の為に3年、毎日朝練習に付き合ってくれた。ケガも多かったし、僕らの面倒を見るのに精神的に疲れてしまったのかも。それで、まだやれる状況だったけど、引退しました。成田空港で外国人専用のハイヤーの運転手をやっていたけど、コロナ禍で仕事が激減。それで工場で荷物の仕分けとかやっているけど、毎日大変みたいです」。
中央大学を卒業しているインテリレーサーだが「実は大学の奨学金を借りていたので、その返済が大変で。大学時代はひとり暮らしで、その生活費も親に迷惑をかけている。それで今は実家にいるけど、家に入れるお金も少なくて(苦笑)。もっと稼いで、親に楽をさせないと」。
父親の啓志さんに、早くS級で走っている姿を見せるのが、なによりの親孝行になる。(町田洋一)