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【PIST6】自転車が生活のすべて! 休みなしで練習に励む青野将大は地脚を武器に上を目指す/ファーストクォーターラウンド4優勝者インタビュー

2022/05/27(金) 18:00 0 5

2021年10月にTIPSTAR DOME CHIBA(千葉市)で開幕した「PIST6 Championship」。すでに数多くの名シーンや名勝負が生まれているが、PIST6で勝利した選手たちはどのような感想を抱いているのだろうか。今回netkeirin編集部ではファーストクォーターラウンド4で優勝した青野将大選手にインタビューを実施した。高校でインターハイ優勝、そして大学でもインカレ優勝と輝かしい自転車競技成績を誇る青野選手。その強さの裏には、小学2年生から積み上げた競技勘はもちろん、これまでの自転車人生で切磋琢磨した仲間と、師匠小原太樹の存在があった。※インタビューはオンラインで実施(取材日:2022年5月10日)

Photo by Kenji Onose

■小学2年生から始まった青野将大の“自転車”人生

ーー自転車競技を始めたきっかけは?

 地元香川県の高松には小中学生向けの自転車クラブチームがあります。最初は兄が自転車を好きで始めていて、僕は兄の影響を受けた形ですね。親と一緒に兄の送り迎えに行っていたんですが、その流れで始めました。小学2年生の時です。

ーー自転車競技を始めたときの印象は?

 そこまで覚えてないですけど「風を切って走るのが気持ちいい」とか、最初はそんな感じでしたね。

ーー当時はどんな種目に取り組みましたか?競輪場で走る機会はありましたか?

 小学生なのでなかなか競輪場で走る機会は少なかったですね。800mのタイムトライアルなどは記憶にあります。あとは小さい子たちが出場する大会があって、それは他県まで行ってましたね。

■高校ではインターハイ優勝、そして大学でも

Photo by Kenji Onose

ーー高校時代にはインターハイで優勝、そして大学時代もインカレで優勝という輝かしい成績をお持ちの青野選手。学生時代はどのような想いで自転車競技に取り組まれていましたか?

 そのときは自転車競技が好きというよりも、小さい頃からの流れでずっと自転車を続けている感じで、生活の一部みたいな感じで自転車やってました。

ーー進学先の法政大学ではキャプテンだったそうですね。インカレでは優勝も果たしてます。当時を振り返っていかがですか?

 法政大学は1年生から4年生まで4年間ずっと寮生活なので、みんなと一緒に過ごした寮生活の方がレースよりも印象に残ってますね。

ーー法政大学での4年間の寮生活はいかがでしたか?

 1年生は掃除とか先輩の自転車の準備、あとは先輩の朝と夜のご飯も作るので、なかなか大変でしたね。自転車部の中では1年生が一番厳しいんじゃないかなと思います。

ーー寮では青野選手も料理されてたわけですね。

 本当にうまくないんですけど、なんとなく作ってましたね(笑)。当時僕はラクをしたかったので、八宝菜とか麻婆豆腐とか、一気に作って分けられる中華料理が多かったです。トンカツとかだと1個1個分けて作らないといけないので。僕はラクしてましたね(笑)

ーー自転車競技は個人競技という部分もありますが、キャプテンをされてた当時はチームをまとめていくのが大変だったんじゃないですか?

 歴代の先輩が築き上げてくれたルールがあって一から作り上げるわけじゃないので、大変なところもありましたが、なんとかやっていけましたね。

ーー大学時代にインカレのチームパシュートで優勝した当時のメンバー、寺崎浩平選手や新村穣選手とは今でも連絡を取り合ったりなど関係性は続いているんですか。

 そんなに日頃から連絡を取り合っているわけではないですが、レースで一緒になったときはよく話をしますね。1個上の新村先輩(新村穣選手)は選手になるのが遅くて119期なので、一応弟弟子という形です。支部も同じなので毎日一緒に練習してます。

ーー近年、自転車競技経験者がそのまま競輪選手になる人の割合が増えているように感じます。青野選手はその点どのように感じてますか?

 どうなんですかね。最近と昔がどう違うのかは正直わからないです。でも僕の場合、大学卒業してストレートで競輪選手になっていれば113期の自転車競技経験の豊富なメンバーと同い年です。そういう人たちからは刺激を貰いましたし、今も貰っていますね。

■大学卒業後銀行に就職するも、再び自転車の道へ

Photo by Kenji Onose

ーー大学を卒業してから銀行員としての道を選ばれてますが、きっかけはありましたか?

 卒業してから自転車でどう食べていこうかと考えたときに『実業団に入るか競輪選手になるかの大きくは2つの道』があったんですが、僕みたいなトラックの中長距離選手ってどっちつかずというか、どっちも本職ではないんです。大学を卒業して辞める選手も多いです。僕も当時は深く考えずに「大学を卒業したから就職」という風に思って就職しました。

ーー1年間銀行で働かれて、そして競輪選手の道に進んだわけですが、銀行員をしているときの自転車への想いはどのような感じでしたか?

 銀行員として働いていてやはり自転車がない生活っていうのが、10年間で初めてだったので、自転車に乗らなくなってから改めて自転車が好きだったんだなと気づいて、もう一回やりたいなと思いましたね。

ーー銀行員として働く中で、やはり自転車への想いは強まっていったんですか?

 自転車に乗らなくなってから初めて自転車が好きなんだということに気づきましたね。

ーー銀行員として初めの配属先は茨城県にある取手競輪の近くだったという風に聞いてます。

 そうですね。最初配属されたのが取手の駅前で、その後に柏の法人営業の部署に配属されました。

ーー2020年5月にデビューして競輪選手になったわけですが、自転車の世界に戻ってきた当時の心境はいかがでしたか?

 元に戻ったような感じでした。これまではアマチュアとして親に食べさせてもらっていましたが、自転車が生活の全部みたいなところは昔も今も変わらないので、本当に元に戻った感覚です。逆に特別な思いとかは感じなかったですね。

■PIST6は6回目の出場で果たした優勝

©︎PIST6

ーーこれまでPIST6に6回出場されていますが、優勝までの過程を振り返っていかがですか?

 優勝するのは難しいな、といつも感じています。前回までの5回の結果は自分の中で「こんなもんかな」ぐらいの気持ちだったので、逆に今回優勝できたことにびっくりしてます(笑)

ーー初優勝飾られた要因は自分の中でどのように見てますか?

 内に包まれて外に出れなかったら嫌なので、最後の勝負所で後ろから差されることになっても積極的にいこうと思ってました。今回のレースにしても普段の競輪にしても、とりあえず出し切るってことを一番に考えて、悔いが残らないように走ってます。たまたまっていうのもありましたけど、勝てて良かったです。

ーー決勝レースを走る前の心境はいかがでしたか?

 そこまで特別な思いはなく、気持ちを入れすぎて固くならないように意識してました。

ーー一番人気の志田龍星選手をはじめ、特別に意識を向けていた選手はいましたか?

 走る前は「優勝は志田くんかな」と思ったので、2着か3着あたりに頑張って入ればと思って走りました(笑)。特別この人をマークしようとかはなかったですが、志田くんが中心のレースになるんだろうなとは思ってました。

ーー決勝レースでは早い段階で加賀山選手が前に出る展開となりましたが、青野選手は事前に想定していましたか?

 誰かしらは早めにくるだろうなとは思っていました。しっかり踏んでおかないと1人出られたとき、後ろからも2人3人とついてこられたら内が詰まってしまうので「前に出させるなら1人、もしくは出させない」そういうことは考えてました。

ーー決勝レースを走り終えたときに力強いガッツポーズを見せていただきましたが、ゴールした瞬間の気持ちはどうでしたか。

 大きいレースで1着でゴールすると本当にゴールだったのかな? と思うときがあります(笑)。ガッツポーズは「やっといたほうがいいのかな?」くらいの気持ちでやりました。あんまりそういうのするタイプじゃないので、“フリ”ですね(笑)

©︎PIST6

ーー今回優勝を果たした青野選手ですが、次回参戦する際はどんな気持ちで走りますか。

 優勝ということでプレッシャーもあるかもしれないですが、いつも通り自然体で走れたらなと思います。しっかり自分の力と自分の走りを見せられるように頑張りたいです。

■まさに“中長距離のスペシャリスト”青野将大の強み

ーーPIST6の音楽や演出など、全体的な雰囲気はどのように感じてますか?

 盛り上がっていて走る方も楽しく走れてます。

ーー青野選手自身、PIST6はどのような思いで走ってますか?

 元々競技をやっていたので、そんなに苦手意識はなく走ることができてますね。競輪特有のラインもないですし、とりあえず1着を取ることだけを考えて走ってます。

ーー自転車競技出身者ということで、PIST6は競輪と比べて走りやすい部分もありますか?

 競輪はやはりライン戦があるので、少し無理をしてでもラインで決めるために必要な動きもあるんですが、PIST6は自分のためだけに走ってますね。競輪はラインがあるのでダメだったときでも「ラインのために無理したしな」っていう(着に対して)言い訳ができます。それに比べるとPIST6は1着しか狙ってないので、その分負けたときはPIST6のほうが悔しいです(笑)

ーーPIST6に参戦されてから競輪に与える良い影響みたいなものはありますか?

 PIST6に参戦したことで、普段から重いギア比を踏むようになったので、パワーは付くかなと感じてます。

ーー学生時代には、スクラッチやポイントレース、ロードレースといったどちらかと言えば中長距離をメインに取り組まれていたと思いますが、競輪選手になるために短距離の練習も相当積まれたんじゃないですか。

 長い種目をやっていたときは、ハロン掛け(もがき)もやらないことが多かったですが、今は短い距離の練習がほとんどですね。中長距離に取り組んでいたときは短くても5周はもがいてたんですが、今は長くて2周とかですね。トップスピードもそうですし、トップスピードに上げるまでのダッシュ力を上げるような練習がメインです。

ーー今回の決勝レースもそうなんですが、一度捲られても捲りなおせる青野選手のインターバルの強さは、やはり学生時代の中長距離の経験とか練習が活きてますか?

 そうですね。全開でというよりも、もう一度踏めるためのペース配分とかは競技の経験が少しは活かされてるかなと思います。

©︎PIST6

ーー青野選手特有の「長距離を走っているかのような軽快さ、肘の曲がった低い姿勢」は学生時代の中長距離に取り組んでいたときのフォームが活きている気がします。

 大学4年生の引退から銀行員時代までだいたい1年半くらいブランクがあったので、フォームとか結構忘れてるところとかもあったので、そこまで活きてるかは正直わからないですね。でもやはり「低く小さく」っていう空力(エアロ)を考えたフォームはずっと意識してますね。

ーー青野選手ご自身の考える自分の持ち味みたいなものを表現するとどんな感じでしょうか?

 一応中長距離選手だったので、地脚を武器にしています。例えば250mの3周の競走なら、最周回までスピードを落としてダッシュ勝負になるよりは、3周全部ハイペースで勝負するほうが得意だと思います。

■青野将大にとっての師匠“小原太樹”の存在とは

©︎PIST6

ーーレースがない日はどんなことをして1日過ごしてますか?

 あんまり趣味がなくて、やはり自転車が好きで競輪選手になったので、全然練習を楽しくやってます。僕は練習が好きなんでひたすら毎日練習ですね(笑)

ーー青野選手自身、あまり休みは取らないんですか?

 そうですね、あんまり取らないですね。取ったとしても「眠いから午前中だけ休もう」と長めに寝るくらいです。そういう時も午後からは練習します。

ーー先日のPIST6ファーストクォーターラウンド4準決勝では、師匠の小原太樹選手と師弟対決となりましたが、どういった気持ちで臨みましたか?

 本当は先行や捲りで勝っても負けても自分の走りを見せたかったんですが、1枠スタートということもあり、終盤の争いの中でインレーン側に詰まって前に出られない状況になりました。

 しかも併走しているのが師匠だったので、最後はがむしゃらにもがくしかなかったですね(笑)。あれは満足な走りではなかったです。走った後は師匠に笑われました(笑)

ーー青野選手にとって、師匠小原太樹選手はどのような存在ですか?

 本当すごいですね。練習熱心でストイックです。今僕含めて4人の弟子がいるんですが、師匠がめちゃくちゃ練習するので「さすがに師匠の練習量には負けてられないよな」って言い合う感じで切磋琢磨してます。

ーー今回は色々教えていただきありがとうございました! さいごに青野選手の活躍を楽しみにしているファンのみなさんに一言メッセージをお願いします!

 これからもPIST6には何度も参戦するつもりなので、優勝を重ねられるように頑張ります!

◆青野将大選手のプロフィール(取材時)

出身  :香川県
生年月日:1994/6/28
班級  :S級2班
府県  :神奈川県
身長  :172.4cm


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