「スタートのコース(3コース)が前の方だったので、後ろの動きを見てからで良かったので、その辺は助かりましたね。望月(一成)君が内から行った動きも冷静に見れていたし、その後ろのことも考えられていたので余裕はありました。最後の3コーナーで先に仕掛けていた山田(義彦)君を越えられたので、これは行けたなと優勝を確信しましたね」と決勝戦を振り返ってくれた。

　ただ、探究者としての心構えは十分で「タイムトライアルでは目標にしていた10秒を切れなかったので、今後は9秒台を出せるように頑張っていきたい」と今後のPIST6での課題を掲げた。

　そのハロンタイムの話から「UCIの35〜39歳の世界記録は9秒941。その記録はたしかタイムの出やすい高地のメキシコで出たもの。好記録は高地ばかりで出ているんですよ。だから、ここで9秒台を出せれば十分に世界が狙える」と、実業団チームの岩井商会レーシングでも活躍している伊藤の視線はワールドワイド。

　今開催で一緒に参加していた市本隆司が、今年9月のロス大会・マスターズ世界選手権に参加意向を示している事は当然知っている伊藤は「40歳になるとクラスが変わるので、そこまで待ってみようと思っていたけど、市本さんのやる気に俺も触発されちゃいましたよ。38歳の今年に俺もスプリントに参加しようかなと思っていて。その為にもまずは9秒台を出しておきたい」とPIST6で前人未踏の3連続優勝を成し遂げたが、飽くなき自転車愛は止まらない。(アオケイ・渡辺記者)

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