養成所69人中3位と上位で卒業した真鍋智寛。第2回記録会ではゴールデンキャップを獲得。養成所の決まり手はバック数16回(2位)、捲り1着16回(1位)と、スピードとダッシュ力は非凡なものがありそうだ。養成所で指導にあたってきた大川眞護教官は「男子ではトップクラス」と期待の選手として名を挙げる。

　注目されて臨んだ5日の卒業記念レース(JKA400バンク)だったが、本来の力を発揮することがないまま7着と予選敗退。「早めに前を斬って動けば良かったかなと、位置取りが後ろ過ぎました。バックで仕掛けましたが前も掛かって止まらず…2〜3か月ぶりの競走でレース感覚が鈍ってましたね」。

　松戸に向けてはどのような調整を行ってきたのだろうか。「ホームバンクである松山競輪場の改修期間の影響もあり、バンクで練習で出来たのは2度ほど。週6回ウェイトトレーニング、週2回パワーマックス(エアロバイク)と街道練習のメニューでウェイトメインの仕上げです。バンク練習が不足しているので不安もありますが、パワーマックスの数値から状態は悪くはないと思います」。

　陸上短距離に励んだ中学時代は目立った成績を残すこともなく、高校はスポーツではなく自動車工学科に憧れ松山聖陵高校に進学。部活動紹介で自転車競技部と出会い「格好良いな、自分も乗ってみたいな」と自転車の世界へ。高校卒業後は就職を考えていたが、男子ケイリン連覇を果たすと、AO入試で鹿屋体育大学へ入学、そして日本競輪選手養成所と、高校入学時には想像もしていなかった道を駆け抜けてきた。

「正直、(松戸の)33バンクよりも400バンクの方が得意」と語った真鍋だが、積極的に位置を取って得意の捲りを炸裂させてくれるはず。同期だけのルーキーシリーズで無様なレースは見せられない。