いよいよ日本ダービー。「日本選手権競輪(GI)」に向けて大事なシーズンとなっていきます。賞金ランキングを見ても、王者である古性優作がトップで、それに松浦悠士、清水裕友、佐藤慎太郎、郡司浩平とSS班が順当通りに続いている模様です。オリンピックの影響もあってS1に陥落した新田祐大は6位、脇本雄太は15位に位置しており、あと8ヶ月間の動向が非常に楽しみです。

　さて、今回は武雄競輪場で行われる「大楠賞争奪戦(GIII)」について見ていきます。

■武雄競輪場のバンクの特徴

　バンクの特徴としては1周が400mで直線は64.4mと平均に比べると相当長く、500mバンクのような熾烈な攻防が繰り広げられる競輪場である。

　ただ、クセがない走りやすい軽いバンクなので、どこからのポジションからでもチャンスがあるだろう。データ的には捲りや逃げよりも圧倒的に差し有利なので、その点には注意したいところで自力よりも巧さを重視した選手選びに注力したい。

■オススメの3選手

今、競輪界で最も安定感のある男に大注目

　2連覇を果たしている相性抜群のレースで、「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」に関しても苦しい展開の中で同着まで持ち込んだ巧さは他を寄せ付けない。また、昨年は清水のアシストが大きかったが、今年も町田など前の選手も揃っていることを考えると3連覇も見えてきそうである。優勝に最も近い男と言っても問題なさそうで、この後の日本選手権に向けて良いレースを期待したい。

差し有利の競輪場で競輪GP覇者が魅せる

　 松浦悠士ほどの安定感はないものの、差し絶好の武雄競輪ならば平塚に続いて注目すべき選手の一人だろう。今年に入って車券を外したのは僅か4回のみで、ウィナーズカップを除けば全て決勝に顔を出す安定感は信頼できる。他地区の選手との連携にも不安がないだけに、今回も侮れない存在となりそうだ。

地元のホープが湘南ダービーの雪辱を果たす

　湘南ダービーの準決勝では王者である古性優作との直線勝負で制する走りを見せており、決勝こそ不完全燃焼だったが地元で大躍進の可能性は十分にあるだろう。また、今年に入ってFIでの完全優勝含めて記念でも決勝に食い込んで来ており、きっかけ一つで頂点まで立ち入るポテンシャルもあるはずである。初日から要注意の選手で、今回の注目の一人として取り上げておきたい。

　主に有力な2選手と期待の選手を一人取り上げたが、やはりSS勢の松浦悠士と平原康多、吉田拓矢には注目が集まるのは間違いない。特に今かなり勢いのある松浦悠士と佐藤慎太郎に関してはSS班としての強さを大きく感じるだけに、注意して取り扱いたいところだ。

　また、地元勢には山田庸平のほかに荒井崇博、上記には取り上げなかったが復調気配の守澤太志、GPを制した経験のある和田健太郎などこの後の日本選手権に向けての前哨戦となってくるだろう。調子の見極めや現時点での出来など、さまざまな視点で見た上で生かしていきたいところだ。

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