2022/04/21(木) 15:00 0 3
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回はガールズ選手の悲願の優勝の好プレーです。 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
4月18日に最終日を迎えた玉野競輪競輪ミッドナイトのガールズ決勝8R。
デビューから戦い続ける山原さくら(29歳・高知=104期)が感涙の優勝を手にした。本命は小林優香(28歳・福岡=106期)で揺るがぬ存在。しかし、山原は自分を貫き1着ゴールを駆け抜けた。
ポイントは最終HSで、那須萌美(31歳・宮崎=114期)が叩いてきた。1車下げて、小林の様子を見て…が流れかと思ったが、抗った。
那須の内を踏み込んで、ただひたすら前だけを見た。戦うべき相手は…。レースの中で他の選手を警戒することは必要だが、“その前に”があった。競輪の原理であり、人生の原点。自分と戦い、自分に負けないことに迫ろうとした。
小林が外のコースで伸び切れず、もあったとはいえ、山原の逃げ切りは素晴らしかった。真実の道を突き進む山原の走りに★4つ。咲き続ける桜の木の、芯の強さがあった。
ちょうどボクシングの絶対王者・ゴロフキンに村田諒太が挑んだ後。敗者となった村田は試合後に、テレビのインタビューで「自分に負けない」という言葉を強調していた。戦いの場に身を置くスポーツ選手の輝きが、ファンの胸に届いていた。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)