2022/04/12(火) 12:00 0 4
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は湘南ダービーで優勝を手にしたあの選手の好プレーです。 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
今年2月の静岡記念決勝で取り上げたばかりの佐藤慎太郎(45歳・福島=78期)が、“モロ”を見せてくれた。
“モロ”だった。静岡の時は並びを決めるにあたり、という副次的なものをはらんでいたが、今回はプレーそのもの。
「止めてやっからよ! 」。
平塚記念の2日目、二次予選の9Rは慎太郎がいるものの、別線には犬伏湧也(26歳・徳島=119期)ー阿竹智史(39歳・徳島=90期)の師弟コンビがいて激戦そのもの。パッと見は徳島勢が強そうで、慎太郎、大丈夫か…とも見えた。
桜井祐太郎(22歳・宮城=117期)が駆けて慎太郎が大仕事。3番手は五日市誠(37歳・青森=89期)が締める。競輪だよ、おっかさん! 犬伏ももちろん気迫はマックス。残り2周半では桜井を抑えに行っていた。しかし、桜井はスイッチオン。赤板から犬伏を出させず、矢野昌彦(38歳・栃木=91期)を中団に誘い込むようにして北日本勢が主導権取り。
では、「はっけよい、のこった! 」 犬伏も真っ向勝負で打鐘過ぎには猛ダッシュ。しかし、慎太郎が間合いを図り、2角では遠く離れた外にいたが、犬伏にとどめを刺した。番手ってカッコいいな〜。
古い話だが、歴戦のマーカー・加倉正義(50歳・福岡=68期)は井上茂徳氏に憧れて選手になり、ハード過ぎる、そして腕のあるマーカーとして名を成した。「シンタローみたいになりたい!」。この感情を湧き起こさせる好プレーは掛け値なしの★5つ。桜井と五日市の分も含めてですが、北日本上位独占の走りは、競輪の良いものが込められていた。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)