2021/03/17(水) 12:00 0 3
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GⅠ・GⅡ・GⅢ・FⅠ・FⅡのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!
果たして今週は誰のどんなプレーが好プレーに⁉︎
前田記者の直筆解説と一緒にお楽しみください。
一次予選5レースで早い登場となったのは、山崎芳仁(41歳・福島=88期)だった。 GI 9勝の大豪。昔から落ち着いていたが、年齢が似合うところに追いついた感じだ。
張野幸聖(21歳・和歌山=115期)というほぼ半分の年齢の若手を相手に、技と力を見せつけた。8車立てで前受けから下げた山崎は6番手に落ち着く…と思いきや、打鐘前2角から踏んできた張野に合わせて出る。
これが今回の好プレーの最大のポイントだ!
立場を考えれば、そのまま張野に行かせて、まくりに構えてよいところ。しかし、そうしなかった。
それはこの日が3月11日だったからだ…。10年前に地元を襲った東日本大震災。競輪選手として、過ぎ去った歳月を決して忘れることなく、戦う姿勢を見せることが思いを届けることになる。
打鐘先行。長い距離だが、ここからはテクニックも発揮する。最終HSに入る手前に張野の位置を把握、合わせるが、踏み上げ過ぎず、後方の選手たちをだんご状態にして仕掛けさせない。絶妙なペースは、体に沁み込んでいた。かつては強過ぎるために警戒され、まくり多用も。
この原因は「山崎を逃げさせたら終わり」だったから。先行しても強いから、勝てたのだ。
「オレがイン粘りして勝っても、ファンは喜ばないでしょう。後ろの方から、ドーンとすごいスピードで勝てば、競輪に詳しくないファンにも分かりやすいし。うふっ」
ここまで言い切れたほど強かった山崎。今、その強さは深みを増している。山崎にとって、難易度の高い走りではないので、星は2つとさせていだたく。思いのほどはケンタウルス座級だったが。
すごいで賞=星★★☆☆☆