12日の二次予選で3着となった鈴木裕は発走前にクリップバンドが外れるアクシデントがあり、二度のお辞儀をした後に再発走となった。

「クリップバンドが外れたのはこれで2回目。1回目の時は左足で、今度は右足で2度目。ちょっと焦りました。でもスタートした後は気持ちをすぐに切り替えられて冷静に走れましたよ。最後は逃げていた上田君を(内から)抜いたら失格だと落ち着いてジャッジできていましたから。でも最終4角で前に居た古性の外を回していたらアタマまであったんじゃないかな。脚自体は超抜」と手応えを掴んだ様子。

　そんな鈴木の準決は郡司浩平との連係。鈴木が「郡司が失敗だった時は別として、郡司がしっかり連に絡んだ時は今まで抜けていないはず。俺の脚は良いけど、タイトルホルダー様はそう簡単に抜けないから、きっちりマークの仕事かな」と語る。

　それを横で聞いていた郡司は「裕さん、頼みますよ。(キックボクサーだった経験を生かして)足で強烈なブロックをしてくださいよ(笑)。頼みます」と冗談交じりに声を掛けると、鈴木は「古性とかが俺のところに絡んでくるかもな。そしたら足でも膝でも使ってガンガンにやっつけてやるよ」と笑顔で応じた。

　キックボクサーから転向したことから『キック』と呼ばれている鈴木。郡司とワンツーが決まるかどうかも注目だが、鈴木の腕の見せどころならぬ"足の見せどころ"にも期待したい。(アオケイ・渡辺記者)