3日から名古屋競輪場で「開場72周年記念 金鯱賞争奪戦(GIII)」が開催される。参加メンバーの中に吉田敏洋の名前がないのは残念だが、S級S班からは松浦悠士、清水裕友がエントリー。他にも浅井康太など実質S班の選手も出場予定で、ハイレベルなバトルが見られそうだ。

　シリーズリーダーは松浦悠士だ。今年一発目の和歌山記念は本来の走りができなかったが、そこから徐々にリズムを取り戻し、2月の奈良記念は脇本雄太を相手に「ラインの力」で優勝。続く取手の全日本選抜競輪はオール連対・決勝2着の好成績で、4年連続のKEIRINグランプリ出場に大きく前進した。自身のコラムでも「今年は賞金王になりたい」と口にしていたし、その夢を実現するためにも一戦一戦全力で戦い抜く。

　松浦と同じ開催だし清水裕友にもチャンスは十分。2人は言わずと知れた輪界最強のゴールデンコンビで、今まで数々のドラマを生み出してきたが、GIII開催で一緒になるのは今年初めて。前後は流動的でその時にならないと分からないが、どちらが前になっても責任感のある走りをするだろう。

　独自の理論で進化を続ける浅井康太も地元地区の記念だし頑張りたい。調子を落として苦しんだ時期もあったが、今はだいぶ復調しており好気配だ。

　他では前回大会覇者(と言っても4年前だが…)である渡邉雄太、キレ抜群の東口善朋、取手の全日本選抜競輪でブレークした嘉永泰斗にも注目したい。

　最終日に行われるルーキーチャンピオンレースも非常に楽しみ。9人全員が119期のスター候補生だが、デビューからここまでの走りを見ると、吉田有希(編集部注※)が頭ひとつリードしている感じ。吉田と言えば吉田兄弟の三男坊で、レースでの強さはもちろん、トークの技術も素晴らしく、誰からも愛されるナイスキャラ。2月の伊東のFIでは番手捲りの新田祐大を捲って優勝しているし、脚力はすでにS級トップレベルだ。

　吉田の次の評価は119期在所1位の犬伏湧也。深谷知広とガンガンやり合った大宮記念の準決勝は記憶に新しいし、持っているモノは吉田にも全くヒケを取らない。同じ四国の上野雅彦と連係するか、自分でやるか、今の段階では何とも言えないが、どういう走りになっても優勝争いに食い込んでくるのは間違いない。

(注)吉田有希は出場取りやめとなりました(3/2)