2022/02/23(水) 09:00 0 4
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は高いレベルでしのぎ合う男たちの好プレー! 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
特選10Rでは松浦悠士(31歳・広島=98期)が快勝。山崎賢人(29歳・長崎=111期)の番手を北津留翼(36歳・福岡=90期)から強奪しての勝利だった。先行する選手の番手を奪っての抜け出し、と普通には見えるのだが込められたものが多い好プレーだった。
北津留をどかす、また、引かない、という一つのプレーから様々なものを派生させた。カーリングの用語でいえば、北津留だけでなく、新田祐大(35歳・福島=90期)まで飛ばそうという“ダブルテイクアウト”の狙いがあった。しかも、テイクアウトさせたことで郡司浩平(31歳・神奈川=99期)を内に閉じ込められれば…という深遠な思惑すらあった。実際には郡司も新田の前から踏み込んでいたため、トリプルテイクアウトになる可能性すらあった。
山崎のスピード感の把握と、北津留を飛ばすタイミング、最終的に番手から出て山崎に合わされそうになったものの、ここはボートレース用語のツケマイの形で耐えて直線勝負。頭脳と技を駆使した1着だった。★は4つ。
後ろで見ていた郡司も松浦の思惑はわかったようで「自分もああいう走りはしていかないといけない。あそこで3番手に引くと後ろが詰まってボクや新田さんが仕掛けやすくなるんですよ。さすが松浦でした」と感服していた。北津留はかわいそうだったが、それは勝負の世界。高いレベルでしのぎ合う男たちの好レースだった。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)