初日は取鳥雄吾の番手に黒沢征治がハマる「ヤバイ展開」だったが、直線で外を伸びて3着に入り一次予選をクリアした。

「直前の練習の感じが良かったので(前後の)ギヤ比を変えていたんです。でもその影響か車の出が悪かった。2日目からは今まで通りに戻そうと思います」。

　良い頃の山田英明はとにかく前々に攻めてレースをかき乱していたが、最近は良くも悪くも"大人しい"競走が増えていた。

「前検日に、ある記者の方から『ヒデさんらしい泥臭いレースをしてください』って言われたんです。実は師匠からもこの前同じことを言われて(苦笑)。確かに最近はキレイなレースが多かったのかもしれない。でもそれは山田英明のレースじゃない。(前々戦は)苦しい戦いになるだろうけど、その方が自分らしいのかなって。勝ちたい気持ちもあるけど、とにかく自分のレースをしていこうと思います」と原点回帰を誓った。

「庸平も荒井(崇博)さんも調子が良いですからね。でもやっぱり自分も負けたくないので。切磋琢磨してみんなで良くしていきたいです」。

　泥臭い前々戦で、20年10月の寛仁親王牌以来となるGI決勝の舞台を目指す。(netkeirin特派員)