2022/02/12(土) 19:00 5 26
共同記者会見では冷静にレースを振り返っていた松浦悠士だが、急に思い詰めた表情になり嗚咽し始めた。
「実は4年前に初めて記念を獲ったのが三谷竜生さんの番手だった。しかも地元の広島記念。恩義があるし、地元に競るのは自分のポリシーにも反する。地元に対する気持ちが痛い程分かるし、三谷さんには申し訳ない気持ちしかない」。
少し時間が落ち着いて、検車場で話し始めた時も 「気持ちの整理がつかない…。複雑だし葛藤しかない。本当、すみません」。
ここにも人間ドラマがあったが、勝負師の難しい面。これは何度も書いてきたが、松浦は競輪界全体の事を考えている。苦言を呈せば、批判も浴びるし、個人の事を考えるだけならプラスの面しかない。
「個人の感情でなく、競輪界にマイナスになる発言はして欲しくない。業界の為にプラスになる発信がSNSの正しいやり方だと思う」。
これは記者も全くの同意見。ファンから叩かれる気苦労を考えるなら、裏アカで見る専門の方が楽である。慎太郎先生もそうだが、一人のアンチの為にツイッターをやめるより、10人喜んでくれるファンがいれば、どんどん発信したいと言っている。松浦の良いところは落車しても欠場せず、負けても安易に帰らない風潮を作った事だと思っている。
「確かに、(清水)裕友が直前の静岡記念で負けても帰らなかったのは嬉しかったね(笑顔)」。
S班の選手は自覚がある人が多いし、危機感を常に持ち合わせている。その中でも、ファンの事、競輪界の未来を真剣に考えているスーパーS班が松浦悠士である。(町田洋一)