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【PIST6】「ここで行くと決めて1発で仕留めたい」2度の優勝を獲った志田龍星の“勝利の方程式”/2021-2022「JAPAN HEROES」優勝者インタビュー

2022/01/27(木) 15:00 0 3

2021年10月にTIPSTAR DOME CHIBA(千葉千葉市)で開幕した「PIST6 Championship」。すでに数多くの名シーンや名勝負が生まれているが、PIST6に参戦した選手たちはどのような感想を抱いているのだろうか。今回netkeirin編集部では「JAPAN HEROES」ラウンド4、そしてラウンド6に出場し、2度の完全優勝を果たした志田龍星にインタビューを実施。PIST6参戦の感想や決勝レースのことをはじめ、自転車競技と出会ったきっかけ、同期選手との交流まで盛りだくさんに話を聞いた。

※オンラインでインタビューを実施いたしました。

(Photo by Kenji Onose)

■野球部から自転車競技へ「競輪選手になれてよかった」

ーー自転車競技を始めたきっかけはありますか?

 高校まで野球をやっていたんですが、自転車部が楽しそうだなと思っていて。部員に自転車を借りたりしていたら、顧問の先生に「そんだけ好きなら本気でやってみんか」って言われたのがきっかけでした。野球部を3年生でやめ、その春から自転車を始めました。

ーー野球には未練はなかったですか?

 野球ではプロになれんなと思っていたので、すっと辞めれましたね。まぁできるところまではやりたいなと思ってたんですけど。でもよかったです、自転車部があって競輪選手になれたので。

ーー志田選手が自転車の道に進むと決めた時、ご家族の反応はどうでしたか

 親はずっと野球やっていたんですが、やりたいことをやらせてくれましたね。そのまま大学でもやれたので。競輪学校を目指してる時も実は普通の就職活動もちょっとしたんですよ。どこも内定もらえませんでしたけど(笑)。結果的に競輪選手になれてよかったと思ってます(笑)。

 僕は男3人兄弟の1番上で、下2人はサッカーをやってましたが、上の弟が少し前から競輪選手目指してやってますね。本当は大学にサッカーで行く予定だったんですけど、それを辞めて競輪選手になろうとしていますね。これから養成所の試験を受けます。僕の影響かはわからんですけど。

ーー志田選手は弟さんから相談受けてましたか?

 やりたいと相談を受けて、そんな甘くないぞと思いながら(笑)。別に反対とかはしないです、まぁやりたいならって感じですね。僕は何もしてあげられる立場じゃないので。

ーー兄弟対決とか見てみたいですね

 なりますかねえ。伝えておきますね。

■同期はライバルというより、仲間

Photo by Kenji Onose

ーー同じ119期の選手で仲の良い選手はいますか?

 大学同級生なので、山根将太とか……向こうはめちゃくちゃ強いですけど。学生の時から群を抜いて強かったです。

ーーライバルとして意識している部分もあるのでしょうか?

 いいえ。山根は大学の時から強くて、その時から知っているので、自分はライバルにもならないと思ってますね。あと山根だけでもなく、同期に対して特に対抗心がありませんね。徳田匠にしろ誰にしろ、普通に仲が良いって感じです。

ーー山根選手と普段はどんなお話をされるのですか?

 自転車の話は全然しないですね。山根将太はあんま物事に関心がないというか。独特なんですよね、なんか不思議ですよ。学校の頃はクラスが一緒だったので、仲良くさせてもらいました。

ーーPIST6で優勝している堀江省吾選手や徳田匠選手とも仲が良くされていますよね

 仲良いですね。徳田も堀江さんもずっとLINEしてますね。堀江さんがレースで負けると「俺もう辞めるわ」っていきなり送ってくるとか(笑)。あんま内容あるLINEじゃないっすね。

■PIST6 DANCERSみたいなパフォーマンスが競輪にもあったらいいなと(笑)

Photo by Kenji Onose

ーー同期の方とはPIST6の話はされますか?

 堀江さんとすることが多いですね。徳田からも「また走っとるんかい」みたいな。僕まあまあ(出場の)間隔狭かったんで、「どんだけ稼ぐんだ」とかめっちゃLINE来ましたね(笑)。

ーー徳田選手とのやりとりはSNSでも拝見してましたが、やっぱり仲が良いんですね

 徳田も大学の時から知っていますけどおかしいですね、あいつは。野球から自転車来て思ったんですけど、変わっている人多いなって。野球にはおらんような人が多いですね。なんかクセのあるというか。それがまた面白いですけど。

ーーPIST6に2回出場され2回とも完全優勝されてます。実際に参加してみていかがでしたか?

 普段の競輪と違う面白さがあってよかったですね。「楽しく自転車をやれた」みたいな感じです。後ろに先輩並んだりしませんし(笑)。

ーーPIST6 DANCERSの応援やパフォーマンスはどうでしたか?

 普通の競輪にもあったらいいなと思いました(笑)。もっとお客さんも増えそうですし。PIST6 DANCERSのパフォーマンスを観にくる人もいません? 僕が出場したときにも「絶対自転車よりダンサーズを観に来とるやろ」ってお客さんを目にしました(笑)。結果的にPIST6に興味を持ってくれるきっかけになると思うので良いことだと思います。

ーーnetkeirinでPIST6 DANCERSのインタビューを掲載しているのでよければ見てください。名前もあげてもらえるとPIST6 DANCERSも喜ぶと思います

 読んでみますね。でも僕くらいのレベルの選手が名前を言っても気にもされんと思いますよ(笑)。フル無視ですよ、多分(笑)。

■PIST6に出場して変わったこと、思ったこと。意識した選手は岩本俊介選手

Photo by Kenji Onose

ーーJAPAN HEROESラウンド4と6に出場されたあとは、競輪で取手高知を走られていますが、PIST6に参加してみてプラスになった面があれば教えてください

 重たいギアを踏むからか、あとで競輪のギアでレースを走った時は感覚よかったですね。踏みこなせるというか、PIST6よりは軽いギアなんで、感触はよかったです。ギアが軽いからかわからないですけど、脚の感覚もよかったですね。

ーーS級A級の混合で意識された部分はありますか?

しましたね、自分より格上ばかりなので。S級の名前の売れた人たちが多いので緊張しました。

ーーPIST6に参加して意識された選手について具体的に名前を挙げるならば?

 やっぱり2回目に走った時の岩本俊介さんとか。(PIST6)地元の千葉だし、競輪GIでも決勝に乗るような選手なので。「うわー、すごいなあ」と思いながらファン目線で見ていました。岩本さん全然アップとかしないんですよね。アップの仕方が違いますね、S級選手は。あまりウォーミングアップでは動かない、特に今、冬でこんなに寒いのに。(同じようにしてたら)自分は漕げんですね自転車。

ーーS級の選手と比較して、もう少しここの部分を補えばもっと強くなれると感じた部分はありましたか?

 PIST6じゃないですけど、先日高知で、同期S級の犬伏湧也さんを見て。やっぱあれくらいダッシュ力があったら良いな、と思いました。前に出るのも時間かからんし。そのダッシュがあったらもっといろんなパターンで走れるかなと。僕、本当にないんですよダッシュが。

ーーそれでもPIST6で勝てているのは、自分なりの勝利の方程式のようなものをお持ちなんですか?

 ちょっと走り慣れてるからですかね※。普通の競輪と同じように位置とったりして、PIST6走ったら勝てんような気がしてます。ギアが重たいから位置取るよりかは、ここで行くと決めて一発で仕留めた方が楽かなというのはあります。

※志田選手は大学時代、競輪選手養成所時代共に1kmタイムトライアルで上位実績あり

Photo by Kenji Onose

ーーほとんどのレースで残り2周でスパートしてるイメージです

 まぁそうですね。5周目で行けたらと思って。行けなかったらそれはそれでラスト1周で、とも考えていますが。(周囲の選手の動きを見るよりも)もう自分のタイミングで仕掛けるって感じですね。

ーー2開催8レース走られて枠順は「3・4・5」だったと思うのですが、走りやすさとか、走りにくさを感じる部分ありましたか?

 ありますね。今回は枠番よくて恵まれてました。もしも決勝が1枠やったらもう全部突っ張るしかないって思ってましたね。 (走りやすいのは)4じゃないですかねやっぱり。4番手やと、そのまま前で位置取りやりあってくれる展開が多いので、行きやすい感じがあります。

ーー志田選手が1枠や6枠スタートだった場合にどんなレースをするのか楽しみです

大敗するっすね(笑)。

ーー対戦でこういう戦い方をされたら嫌だなって流れを教えていただけますか?

 強い選手が前におったら嫌ですね。僕より脚のある選手が2番手3番手とかで、車間切って待たれると、僕も行けない。で、そのままラスト1周になっていけなくなったりとかしちゃうので。それが一番嫌な展開ですね。

ーーしんどかったレースはありますか?

 最後の決勝ですかね。あんまりいけるところがなくて。たまたま内側が空いたので、まぁラスト1周やしと思って行ったけど。もう前も番手もS級で力あるので、同時発進されたら無理やなぁと思いながら行きましたね。(ラストの1周は)後ろで脚使っていなかったので、もうどっぷり捕まえていこうかと思ってました。行ったはいったんですけど、前も岩本さんが駆けて後ろが番手発進みたいな感じだったので。普段の競輪なら止まってましたね。

ーー6周目「勝った」と思った瞬間はありましたか?

 バック(ストレッチ)過ぎで並んだ時に、差せるかなと思いました。コーナーで脚ためて、最後踏んで(コーナーを)下ったら差せるかなと思ったので、(その通りになって)良かったです。

ーーさすが、横綱相撲のようなレースだなと思ってみていました

周りが横綱しかおらんでしたからね。たまたまですね。

■優勝賞金が1000万円なら?「高いギア買ってでも万全で調整します(笑)」

Photo by Kenji Onose

ーーギア比ですがタイムトライアル以外では全部4.62でした。この比率がベストですか

 5倍手前ぐらいかけたいなと思ってますが、ギア持っていないんでしょうがなくですね。57くらいを買いたいんですが、4万円くらいするんでちょっと渋るんですよね。それだったら我慢して60使おうかな〜ってなるんで。タイムトライアルではたまたまギアを借りられたんですよ。借り物競走して、他の選手から借りました。でも60で後ろを変えればいいかなと思って。

ーーまだタイムトライアルで9秒台が出ていないので期待しています

いやー絶対出んですね、走り込まんと。呼ばれたら頑張ります。

ーー競輪グランプリの賞金は1億円程ですが、PIST6シーズンのファイナルの賞金はどれくらいを期待しますか?

僕は1000万円でテンション上がりますね。1億円やったらスゴイ!夢のまた夢ですね。

ーーもし優勝賞金が1000万円以上の大会であれば、高価なギアも用意して参加されますか?

(即答で)もう、万全で行きますよ! それは全力で調整していきますね、そんだけ大金だったら(笑)。

ーー今後またPIST6に参加される時は、どのような戦い方をして3回目の優勝を目指されますか?

 できれば長く2周くらい駆けて勝つのがベストですね。250だし2周いっても500なので、一番いい距離かなって思いますね。ギアもかかっているし、機材も良いですし。まあでも、みんなそこに狙ってきますからね、2周目のところ(笑)。

ーー最後にPIST6ファンへ向けてメッセージをお願いします

普通の競輪とは違う面白さがあると思うんで、会場に来て生で見てほしいなって思います。

◆志田龍星選手のプロフィール(取材時)

出身  :富山
生年月日:1997/10/14
班級  :A級2班
府県  :岐阜
身長  :176.5cm

【SNSはコチラ】
志田龍星選手Twitter

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