2021/03/04(木) 18:00 0 3
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GⅠ・GⅡ・GⅢ・FⅠ・FⅡのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」が本日よりスタート!
前田記者の直筆解説と一緒に競輪の好プレーをお楽しみください。
地元の菅原晃(41歳・大分=85期)が漢(オトコ)の好プレーを見せてくれた。
望月一成(24歳・静岡=111期)の先行一車で、マークは南関スジの勝瀬卓也(44歳・神奈川・84期)。そこにジカ付けで挑む。熱湯を浴びるような走りが、別府の夜に沸き起こる。
残り2周の赤板、勝瀬に内にしごかれ一時後退も、打鐘で追い上げ。「こっからが勝負やけ…」。アキラ兄さんの小さな声が聞こえる。打鐘3角から踏み上げる望月、内の勝瀬が有利な格好、遠心力を利して外に持ち上げるが、わずかに肩を前に出していたアキラ兄さん。見事に受け止める。やや前との車間はあくも、鬼の形相で追いつく。
残り半周の最終バックストレッチ、山中貴雄(37歳・高知=90期)がまくってくる。番手を取り切ったアキラ兄さん。望月は南関、菅原は九州でラインは違うが、ジカで競りにいって取った番手。逃げる選手は、もう、仲間です。最終2センター、脚はすでに売り切れ状態のニイサン! 亀のように首を出して山中をはじく…。
直線、差せないとはわかっていただろう。それでもアキラ兄さん、最後の可能性にかけて踏み込んだ。優勝は望月。残り2周の苦しみは、別府の閻魔が与えた地獄責め。それを耐え抜き、おそらくアキラ兄さんはこう言っただろう。
「望月、おめでとう」。
すごいで賞=星★★★☆☆