2021/12/14(火) 19:00 0 3
12月16日より伊東競輪場で椿賞争奪戦(GIII・最終日12月19日)が行われる。主力選手の近況や、見どころを競輪記者・町田洋一氏に伺った。
清水裕友と佐藤慎太郎は松山記念に続いて、グランプリに向けての調整で公務欠。S班として責任ある走りを演じるのは新田祐大で、赤パンツを卒業する和田健太郎も追加で入ってきた。
主役は、もちろん新田祐大。前走の松山記念は決勝こそ、地元勢にやられたが、残りのレースは完璧だった。パワフルさだけでなく、粘ったり、内を突いて先行したりと変幻自在なレースで魅了した。あのレースを新田が覚えてしまうと、グランプリメンバーさえ脅威に思うはずだ。番手は同県の成田和也。渋い職人マーカーだし新田にとっても心強い。新田が7番手からの快速捲りになった時は問題だが、意地でも食い下がる。安全策のカマシなら、きっちり捲りを止めて仕事をする。
地元の深谷知広は競技を卒業。それに伴い、鬼軍曹となり、静岡の若手をバンクで鍛えている。これは今迄に見られない光景だし、責任感と自覚も出てきた。すぐに実る事はないだろうが、数年後の静岡の若手先行選手が楽しみだ。65周年で優勝しており、今年は更に高いモチベーションで走る。やや低迷している渡邉雄太だが、まだ老け込む年齢ではない。上手さを求めて、長い距離を踏まなくなったが、今節は深谷の番手が指定席となる。68周年に続いて、大会V2を狙っている。和田は2人共に世話になっており、一歩引いた立場で走る。
関東は長島大介が追加の斡旋。武田豊樹と神山雄一郎の両巨頭がいて、脚は別としてラインとしては引き締まる。地元は他に大石剣士と岡村潤もいる。大石は長い距離を踏めるし、岡村も、ここ一番のレースは強い。近畿はナショナルチームの寺崎浩平がエース格。伊豆が拠点となっており、伊東競輪場にも程近い。小倉競輪祭では結果を出せなかったがG3なら別だろう。デビュー当初は構えるレースが多かったが、今はラインを意識した走りが主流になっている。番手は点数をアップした小兵の村田雅一だ。
松山記念、広島記念と続いたせいか、中四国の自力選手は手薄。捲り屋だが、原田研太朗の一撃ぐらいだ。九州は北津留翼が主役で、一次予選、二次予選なら上田尭弥も人気になる。
最終日にはA級のレインボーカップのファイナルが行われる。3着迄に入ると無条件でS級に特進。来期、S級入りを決めていないのは、太田将成、金ヶ江勇気、道場晃規の3人で勝負駆け。展開は別として、過去のレースからも、この3人が3着迄に入るケースは高い。